2月の誕生石の仲間入りを果たした「クリソベリル・キャッツアイ(Chrysoberyl Cat’s Eye)」。
クリソベリルの中でもシャトヤンシー(キャッツアイ効果)を持つものをクリソベリル・キャッツアイと呼びます。
あまりメジャーではないクリソベリルという宝石ですが、そもそもどんな宝石なのでしょう。
また、キャッツアイとは?
今回はクリソベリル・キャッツアイの基礎知識についてお届けします。
クリソベリル・キャッツアイの意味。和名、石言葉は?
クリソベリル・キャッツアイの意味と和名
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クリソベリル・キャッツアイ。
クリソはギリシャ語で金を意味する「khrusos」が語源とされています。
キャッツアイはそのまま猫の目を意味する言葉ですが、英語のcatの語源はラテン語の「cattus」から派生。
eyeはサンスクリット語で目を意味する「aksi」が変化し、ラテン語の「oclus」に。
その後、ドイツ語「ouga」と古期英語「eage」を経て「eye」となりました。
主な産出地はロシア、ミャンマー、ジンバブエ。
モース硬度は8半、直方晶系の酸化鉱物。
ダイヤモンド、コランダムに次いで硬度が高い鉱物。
劈開は二方向に明瞭。
クリソベリル・キャッツアイの和名は「猫目石(ねこめいし)」。
これは宝石名であり、鉱物名はクリソベリルで和名は「金緑石(きんりょくせき)」です。
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クリソベリル・キャッツアイの石言葉
クリソベリル・キャッツアイの石言葉は「静かに見守る」。
古来よりシャトヤンシーを持つ宝石は魔除け効果があると信じられていたのです。
持っていると敵の目を欺く、敵から見えなくなるとの伝承があり、戦に欠かせないお守りでした。
クリソベリル・キャッツアイ、キャッツアイ効果の正体とは。
2月の誕生石に制定されたクリソベリル・キャッツアイ。
実は結婚18周年を記念する宝石でもあります。
誕生石のように正式に制定されたものではありませんが、パートナーへの贈り物の候補として覚えておいても損はないかもしれませんね。
誕生石、記念石としてこれから知名度を増していくだろうクリソベリル・キャッツアイ。
どんな色があり、どのような特徴を持つものが高く評価されるのでしょうか。
キャッツアイ効果はどうやって現れる?
カボションに磨き上げることでシャトヤンシーを放つキャッツアイ。
光が当たった時、一本の筋が入る様子が猫の目のように見えることからキャッツアイと呼ばれます。フランス語でシャトヤンシー(chatoyancy)、変彩効果とも。
この光の筋が二つ以上のものはアステリズム(スター効果)。
キャッツアイ効果、またはスター効果を出現させるためにはカボションカット、または丸いビーズ状に加工されます。
光の帯がはっきりしているものが良品。
この光の帯の正体は…「繊維状のインクルージョン(内包物)」。
この繊維状のインクルージョンが平行に並んでいると、光が当たった時に一本の光の筋が現れるのです。
クリソベリル・キャッツアイの色は?
クリソベリルのカラーバリエーションはイエロー、グリーン、ブラウン。
なかでも高く評価されるのはハニー・イエロー、またはミルクアンドハニーと称されるもの。
蜂蜜のような粘度のある黄色は、固体であるのが不思議なほどの柔和な印象。
蜂蜜のような黄色の宝石といえばアンバー(琥珀)も思い当たりますが、アンバーとの違いは高い硬度と輝き。
硬度が2から2半と低いアンバーに対して、硬度8半と高いクリソベリルなら日常使いもしやすいですね。
取り扱い時の注意点は?
クリソベリル・キャッツアイは硬度も高く比較的取り扱いやすい宝石ですが、超音波洗浄器の使用は避けて。
シャトヤンシー(キャッツアイ効果)は繊維状のインクルージョンにより生まれているため、衝撃は避けるのがベターです。
POINT
- 2021年12月、新しく2月の誕生石に追加されたクリソベリル・キャッツアイ
- シャトヤンシー(キャッツアイ効果)の正体は繊維状のインクルージョン
- 硬度8半とダイヤモンド、コランダムの次に硬い鉱物
実はアレキサンドライトもクリソベリルの一種!
光源でその姿を変える魅惑の宝石も6月の誕生石として新たに制定されました。
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。