ジュエリーの基礎知識

宝石のなかに不純物?インクルージョンの意味と種類

インクルージョン。
宝石が好きな方であれば、よく聞く言葉ですよね。

エメラルドにはつきものだとか、4Cのひとつであるクラリティに影響を及ぼすとか。
鉱物の個性を表しているとも言われていますが、そもそもインクルージョンとは?

宝石の価値にはどのように影響するのでしょう。

今回は宝石のインクルージョンについて。
インクルージョンの成り立ちや代表的な種類をご紹介します。

インクルージョンの意味は?宝石の価値にどう影響する?

インクルージョン(inclusion)は日本語で内包物。
その言葉から宝石の内部にあるものと思われていますが、表面から内部に入り込んだ特徴も含み、宝石の美観にも影響することも。

そもそもなぜインクルージョンは生まれるのでしょうか。

インクルージョンは宝石の個性

鉱物の結晶が長い年月をかけて成長するなかで、取り込まれた別の鉱物や液体、気体などをインクルージョンと呼びます。

宝石のキズと表現されることもありますが、インクルージョンは宝石のひとつの個性。
同じ宝石でもインクルージョンが入ることで、また違った表情を見せてくれるのです。

たとえばクオーツ(水晶)。
針状のルチル(金紅石)が入るとルチル・クオーツに。
ゲーサイトやレピドクロサイトが入るとストロベリー・クオーツに。

また、インクルージョンは光の屈折によって起こる、さまざまな効果も引き起こします。
細やかな針状の内包物が規則正しく並ぶと、スター効果キャッツアイ効果(シャトヤンシー)が現れます。

つまり、インクルージョンは単に宝石のキズではなく、宝石の希少性が増す要因にもなり得るのです。

インクルージョンで天然宝石を見分けられる?

人の顔が同じではないように、宝石によってインクルージョンの数や大きさ、種類、位置が違います。
そのため、インクルージョンは天然の証とも言われていますが、これは本当なのでしょうか。

結論から言えば、インクルージョンの有無だけでその宝石が天然かを見極めることは難しいです。
インクルージョンは合成の宝石にも存在しますし、反対に天然の宝石にもインクルージョンがないものもごく稀に存在するからです。

※ダイヤモンドの場合、「FL(フローレス)」に分類されます。

インクルージョンは宝石を鑑別する材料のひとつ。
専門家による検査が必要で肉眼での判断は難しいですが、一般的に合成石は特有のインクルージョンにより識別が可能とされています。

また、インクルージョンは結晶の育った環境条件を示しているため、宝石の産地も判別可能

たとえばエメラルド。
結晶生成時にインクルージョンができやすい宝石であり、インクルージョンとは切っても切れない関係にあるとも言われています。

そんなエメラルドのインクルージョンは、産地によって顕著な違いが現れやすい傾向にあります。

コロンビア産は固体と液体、気体を内包する「三相インクルージョン」。
ザンビア産で多く見られる黒雲母(くろうんも)を内包する「バイオタイト・インクルージョン」。
ジンバブエ産は「トレモナイト・インクルージョン」と呼ばれる針状の結晶が曲がっていたり、交差していたりします。

インクルージョンの種類と価値

エメラルドのようにインクルージョンが多い宝石もあれば、インクルージョンが少なく育つ宝石も。
インクルージョンは宝石の個性ですが、その種類によっては評価が異なります。

ここでは代表的なインクルージョンの種類をご紹介。

フェザー

結晶内部に入り込んだ羽毛状のインクルージョン。
宝石に生じた亀裂であり、耐久性を落とすと価値が下がります(ダイヤモンドのクラリティを下げるインクルージョンの多くがフェザーと言われています)。

反対に、フェザーによって宝石に特徴が付加されると価値が上がることも。

クラック

結晶が成長する過程でかかる圧力によって生じるインクルージョン。
宝石が割れてしまう原因となるため、クラックの位置や大きさは要確認。

結晶インクルージョン

別名インクルーデッド・クリスタルと呼ばれ、宝石の中に他の鉱物を含むインクルージョンを指します。
たとえばダイヤモンドであれば、結晶中にダイヤモンド、ガーネット、スピネル、ペリドットなどの結晶を含みます。

ほとんどが小さな結晶で、宝石の美しさや耐久性を損なうものではありません。

ピンポイント

結晶インクルージョンをさらに小さく、針の先でついたかのような大きさの結晶。
ピンポイントが密集した部分はクラウドと呼ばれます。

ニードル

棒状の結晶インクルージョン。
単体ではなく、複数内包される傾向にあります。

流体インクルージョン

結晶の割れ目に液体や気体が浸透して生まれたインクルージョン
透明な結晶の中に数多く存在する場合は、白っぽく濁って見えることもあります。

種類や形によって、宝石の生い立ちも知れるインクルージョン。
宝石の個性のひとつですが、美しさを損なうものや耐久性に問題を与えるインクルージョンは別。

インクルージョンという言葉だけでなく、宝石としての魅力を感じる個性を見つけてくださいね。

POINT

  • インクルージョンは宝石の内部特徴で、宝石がもつ個性のひとつ
  • シャトヤンシー効果やスター効果など、特別な効果を引き起こすものも
  • 宝石購入時には、インクルージョンの種類や数、大きさ、位置もチェック

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