アメリカを代表するジュエラー「ハリー・ウィンストン」。
日本ではブライダルジュエリーブランドという認識の強いブランドではないでしょうか。
世界五大ジュエラーにも数えられ、世界中の女性の関心を集めています。
特にダイヤモンドが留められたエンゲージリングは、人気ランキングに欠かせない存在ともいえますね。
【ジュエリーブランドの名品】第十二回目は「Harry Winston(ハリー・ウィンストン)」。
「キング・オブ・ダイヤモンド」と称されたブランドのシグネチャや歴史をお届け。
ハリー・ウィンストンの3つのターニングポイント
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1908年、1920年、そして1932年。
「ハリー・ウィンストン」を語る時、欠かせない3つの年。
それぞれがブランドの核となっています。
1896年にアメリカ・ニューヨークで誕生したハリー・ウィンストン。
移民の子どもとして生まれたウィンストンが、自然と触れて育ったのが宝石。
というのも、父が営んでいたのが宝石店だったのです。
幼い頃から宝石が身近な存在だったことは、間違いなく彼の審美眼を磨いたことでしょう。
それを証明するエピソードがひとつあります。
1908年のこと。
ハリー・ウィンストン12の歳。
質屋で緑の石と出会います。
コスチュームジュエリーが並ぶトレイのなかに、緑の石がガラスとして25セントで販売。
ウィンストンはこれをエメラルドだと見抜いたのです。
それを購入し持ち帰ったところ、父もガラスと判断しヤスリで削ろうとしたほど。
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この持ち帰ったエメラルドを800ドルで販売。
およそ16,000倍の価格となったのは、ウィンストンの見る目の確かさを証明するひとつのエピソードとなっています。
そして1920年。
ハリー・ウィンストン24の歳。
プレミア・ダイヤモンド社を5番街535番地に設立。
会社を設立するまで父の元で経験を積み、その後一人で会社を興したのです。
ブランド名こそ異なりますが、確かに「ハリー・ウィンストン」の礎となっています。
そして1932年。
アメリカ・ニューヨークにて「ハリー・ウィンストン」を設立。
ビジネスを拡大し、ジュエリー業界での知名度も高まったタイミングでのことでした。
以後、ニューヨークを中心に世界中へ店舗を展開していきます。
「ヨンカー」とハリー・ウィンストン
幼少期のエピソードにあるように、ウィンストンの審美眼はとても優れたものでした。
また、運にも恵まれていました。
20世紀で最も重要とされるアラベラ・ハンティントン夫人のエステート・ジュエリー、そして「ヨンカー」ダイヤモンドも獲得。
この「ヨンカー」ダイヤモンドは、世界中の注目を集めた726カラットのダイヤモンドの原石。
18年もの採掘作業を経て取り出された巨大な原石は、1935年にウィンストンの手に。
この「ヨンカー」をニューヨークへ送ったのが普通書留郵便であったことはあまりにも有名。
世間を揺るがすお宝が書留で送られることを誰が想像できたでしょう。
最も安全な方法として選ばれたこの方法は、無事ニューヨークまで「ヨンカー」を送り届けることに成功しました。
「ヨンカー」は12個に分割、一番大きくカットされたのは125.35カラットのエメラルドカット。
ハリー・ウィンストンを代表する名品たち
王族や名家、そして宝石コレクターなどが、ウィンストンの主な顧客でした。
特にコレクターは目にしたことのない宝石を求め、豊富な経験と確かな眼、並外れた知識量を持つハリー・ウィンストンの元を訪れたのです。
そんなハリー・ウィンストンを代表する3つのラインを紹介します。
HWリング
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ラウンド・ブリリアント・カットのダイヤモンドが留められたシンプルなエンゲージリング。
一見シンプルなデザインですが、台座はHとWの文字で構成されています。
これはブランドのイニシャルであり、また「Husband(ハズバンド)」と「Wife(ワイフ)」、つまり夫と妻という意味も込められています。
リリークラスター(Lily Cluster)
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優美な曲線を描く、百合をモチーフにしたリリークラスター。
満開の百合の花をモチーフに、シンプルに仕上げたデザインは、ダイヤモンドが添えられて肌の上で咲き誇ります。
クラシカルでエレガント。
時代を超越する普遍的な美しさを備えています。
ウィンストン・ゲート(Winston Gates)
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10枚の繊細な花びらが光るウィンストン・ゲート。
バラの花のようなロゼットをモチーフに、好機・幸運・新たな始まりを象徴するお守りのような存在。
1960年に5番街718番地に移転したサロンの扉にロゼットがデザインされました。
太陽のようにも見え、身につける人にあたたかな輝きを添えるジュエリー。
POINT
- 世界五大ジュエラーのひとつに数えられるハリー・ウィンストン
- 幼い頃から宝石に触れて育ったウィンストンの審美眼は、多くの顧客を虜に
- 「ヨンカー」ダイヤモンドのカットを手がけたブランド
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第一回:TASAKI
第二回:TIFFANY&CO.
第三回:Cartier
第四回:Van Cleef & Arpels
第五回:BVLGARI
第六回:NIESSING
第七回:BOUCHERON
第八回:MAUBOUSSIN
第九回:CHAUMET
第十回:Pomellato
第十一回:MELLERIO
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。