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【ジュエリーブランドの名品】ナポレオン、ジョセフィーヌ。王侯貴族に愛されたショーメ

美しいのはもちろん資産として、また地位の高さを表す役割を果たしてきた宝石。

国や時代によって愛されてきた宝石は異なりますが、特に中世以降の王族や貴族、聖職者などの権力者には欠かせなくなったのがジュエリー。

しかし、宝飾の歴史のなかで現在にまで語られるジュエラーは数えられるほど。
そのひとつがショーメ

【ジュエリーブランドの名品】第九回目は「CHAUMET(ショーメ)」。
ハイジュエラーとしての類い稀なる経歴を持つ、ショーメの歴史をたどりましょう。

ナポレオンとマリ=エティエンヌ・ニト

 

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ヴァンドーム広場12番地に居を構えるショーメ

ジュエリーの本場として有名なこの場所は、500年前から卓越した宝飾職人のいる場所として知られていました。

1780年、フランス・パリでマリ=エティエンヌ・ニトがショーメの前身となる宝飾店をオープンしたのが歴史のはじまりです。

ショーメの基礎をつくったマリ=エティエンヌ・ニト

 

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ニトはナポレオン一世をはじめとする王侯貴族御用達のジュエラーとして活躍しました。

ナポレオン自身の戴冠式の際のジュエリーにはもちろん、最初の妻であるジョセフィーヌ、二番目の妻マリア・ルイーザのジュエリーまで手がけたことで知られています。

1803年、皇帝ナポレオンの戴冠式にもニトが手がけたジュエリーは姿を見せました。

カメオをはめ込んだ王冠シャルルマーニュやリージェントダイヤモンドをはめ込んだ宝剣。

目をみはるほどの輝きを讃えたジュエリーは歴史的な瞬間を飾るにふさわしい、技巧を凝らしたものでした。

 

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そのシーンを描いたジャック=ルイ・ダヴィット作の「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠」。

パリのルーブル美術館にあるこの絵は、ナポレオンがジョセフィーヌにティアラを授ける場面を描いています。

この絵画に登場するティアラもニトが手がけたジュエリー。
今もなお残るブランドのジュエリーが有名な絵画に登場しているなんて、とてもロマンを感じますよね。

また、ニトはマリー・アントワネットの宝石商であったアンジュ=ジョゼフ・オベールの元で修行を積んだという経歴を持ちます。

ショーメを代表する名品たち

フランス革命後、フランス・パリでの事業の減速を受け、イギリス・ロンドンへ活動の場を広げたショーメ。

ヴィクトリア女王の御用達ジュエラーとなるなど、国が変わってもその人気は衰えることを知りませんでした。

国を超えてその実力が認められたショーメ。
そんなメゾンを象徴する名品をご紹介します。

ジョセフィーヌ(Josephine)

 

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アーティストのクリエイションの源となる人物を「ミューズ(女神)」と呼びます。
元々はギリシャ神話に登場する「ムーサ」を表す言葉でした。

現在ではブランドを象徴する人物を指すこともあり、ミューズの名を冠したアイテムが生み出されることも珍しくはありません。

 

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ジョセフィーヌ」はナポレオンの皇后であった「ジョセフィーヌ妃」からインスピレーションを得たコレクション。

ショーメの上客であったジョセフィーヌ皇后が愛したペアシェイプカットやティアラ、豪華絢爛な宮廷を落とし込んだジュエリーたちはエレガントを体現。

気品に満ちながらも個性が輝くジュエリーをお探しであれば、「ジョセフィーヌ」を纏って。

 

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リアン(Liens)

フランス語で絆を意味する「lien(リアン)」。
1977年の誕生以来、メゾンを象徴するコレクションとして、時代を超えて熱い支持を得ています。

実は「結び目」は王妃マリー=アントワネットが好んだデザイン。

リボンやクロスなど、「結び目」はいつの時代も姿を変えて愛されてきました。

 

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柔和さを感じるクロスデザインが愛らしい「Jeux de Liens(ジュ ドゥ リアン)」。

 

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一本のラインが離れた距離をつなぐ「Liens Évidence(リアン エヴィダンス)」。

 

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結び目のようなデザインが強い結びつきを表す「Liens Séduction(リアン セデュクシオン)」。

 

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そして、愛し合う二人の情熱を秘めた「Liens d’Amour(リアン ダムール)」。

絆は尊く、美しく、そして自由。

形式に縛られない、さまざまな愛を表現したシリーズ。

ビーマイラブ(Bee My Love)

 

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ミツバチからインスピレーションを受けた「ビーマイラブ」。
ハニカムが連なる現代的なデザインは、実はナポレオン一世にちなんだシリーズです。

豊穣の象徴であるミツバチはナポレオンの好んだ意匠で、住居や玉座、ナポレオン二世のベビーベットにもあしらわれていました。

 

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「ジョセフィーヌ」とはまた異なる、格調の高さを感じる「ビーマイラブ」。
リングなら重ねても楽しめるので、ついコレクションが増えてしまいそう。

フランスという国の歴史ともつながりを持つショーメ。

それだけの強い引力を持つジュエリーを手に取ることができるのは、現代ならではともいえますね。
永遠の誓いの証として、または自己の証明として。

人生を彩るさまざまなタイミングで、華やかさを添えてくれるでしょう。

POINT

  • 240年の歴史を持つショーメ
  • ショーメの前身となるブランドをつくったのはマリ=エティエンヌ・ニト
  • ナポレオン一世の戴冠式の王冠や宝剣、ジョセフィーヌのティアラも手がけた

【あわせて読みたい】ジュエリーブランドの名品、バックナンバーはこちら!
第一回目:TASAKI
第二回目:TIFFANY&CO.
第三回目:Cartier
第四回目:Van Cleef & Alpers
第五回目:BVLGARI
第六回目:NIESSING
第七回目:BOUCHERON
第八回目:MAUBOUSSIN