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【ジュエリーブランドの名品】自然を愛し、紡ぐヴァンクリーフ&アーペル

日本でも知名度が高いジュエリーブランドヴァンクリーフ&アーペル

年に一カ国、一つの美術館で不定期に大規模な展覧会が開催されることでも知られています。

2017年には京都の国立近代美術館で「技を極めるーヴァンクリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」展が開催。

技巧を凝らした数々の名品たちは写真で見るよりもはるかに生き生きと見え、まるで魔法がかけられた空間に包み込まれているようでした。

【ジュエリーブランドの名品】第四回目は「Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフアンドアーペル)」。

アルハンブラやミステリーセッティングで知られる、メゾンの歴史を紐解いてみましょう。

ヴァンクリーフ&アーペルの歴史と技巧。ミステリーセッティングとは

 

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1906年、パリのヴァンドーム広場で開業したヴァンクリーフ&アーペル。

メゾンの最たるインスピレーション源は「自然」。
自然光が溢れる大きな窓のある工房で、職人たちがジュエリーに命を吹き込んできたのです。

グランサンクと世界五大ジュエラー

ティファニーカルティエも名を連ねる「世界五大ジュエラー」とは別に、パリのヴァンドーム広場とラペー通りに店舗を構えるフランス発祥の五大ジュエラーを「グランサンク」と呼びます。

歴史や先駆性、宝飾業界にもたらした価値など、ブランドが誇る色はさまざま。

ヴァンクリーフは卓越した想像力と感情が宿っているかのような表現を支える技術に秀でたメゾンとして知られています。

グランサンクの中でも一番歴史が浅いのですが、世界五大ジュエラーにも数えられ、唯一ふたつの協会に名を連ねています。

ヴァンクリーフの探究心が生み出した、現在に至るまで人々に驚きと感動を与え続けているのが「ミステリーセッティング」。

宝飾業界に革新をもたらした「ミステリーセッティング」

 

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宝石を留める時に欠かせない「爪」。
デザインによって、または宝石によって適した爪が選ばれます。

ジュエリーの基本デザイン:石留め編

ビーズは例外として、宝石の表面にかかるこの爪はなくてはならないものとして認識されていましたが、その認識を覆したのがヴァンクリーフ。

1933年に特許を取得した「ミステリーセッティング」はヴァンクリーフ&アーペルを象徴する技法であり、石の透明度をさらに際立たせるため、今日に至るまで進化し続けているのです。

ヴァンクリーフの生み出すジュエリーの生き生きとした表情は、宝石の色彩や輝きだけでなく、カットによる光の反射まで計算されているからこそ。

美しいだけでなく、身につけた時の実用性や機能性まで考えられ、またミステリーセッティング用のカットができる職人も世界で数える程しかいないとか。

ミステリーセッティングに関わる道具も職人それぞれが自分で作るのが伝統であり、小さなねじであっても工夫が凝らされているのです。

ヴァンクリーフ&アーペルを代表する名品たち

ヴァンクリーフ&アーペルの世界観を構成する自然と想像、バレエやオートクチュール。

数々の要素や物語は黄金の手と呼ばれる「マンドール」によって、私たちの世界に実体を伴って現れます。

躍動感と軽やかさが目をひく、エレガントなヴァンクリーフ&アーペルの名品をご紹介します。

アルハンブラ(alhambra)

 

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1968年に誕生したアルハンブラ
実は花ではなく、四葉のクローバーをモチーフに生み出されました。

現在でも絶大な人気を誇り、マザー・オブ・パールをはめ込んだスタンダードなデザインからオニキスにカーネリアン、ブルー・アゲートなどさまざまな色石が留められています。

シンプルなフォルムは年齢、時代を選ばず、不変的な魅力で人々を惹きつけてきました。

1968年のアルハンブラを忠実に再現した「ヴィンテージ」、アシンメトリーな「マジック」。

ハート、パピヨン(蝶)葉や星などを加えた「ラッキー」、枠部分と石を一緒に磨いたかのような「ピュア」など、デザインによって名称も異なります。

創業者であるジャック・アーペルの口癖「幸運になりたければ、幸運を信じなさい」。

実際に四葉のクローバーを摘み、詩に添えて同僚に贈った彼の言葉を体現したかのようなジュエリーといえるでしょう。

バレリーナ(ballerina)

 

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美を生み出し、共有し、受け継ぐことで「永遠に滅ばないものの創造」に尽力してきたヴァン クリーフ&アーペル。

バレエから得たインスピレーションにより生み出されたのがバレリーナ

ジャンプやポージングの瞬間を表現したジュエリーは、しなやかでリズミカル。
今にも動き出しそうな、物語の先をみせてくれる可能性に溢れたバレリーナ。

「芸術を纏う」。
この言葉が一番似合う、そんなジュエリーではないでしょうか。

バレエ以外にも、メゾンの歴史を通して文化を支援してきたヴァン クリーフ&アーペル。

2012年パリに創設された「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」もそのひとつ。

ジュエリーや宝石を一部の人だけでなく、世界各国の人々に広めることを目的としています。

YouTubeでも視聴できる無料講座もあるため、興味がある方は覗いてみてはいかがでしょう。

POINT

  • 世界五大ジュエラー、グランサンクに名を連ねるヴァン クリーフ&アーペル
  • 特許を取ったミステリーセッティングは宝飾業界に革新をもたらした
  • 美を作り、受け継ぎ、ジュエリー制作だけでなく文化の支援も行ってきた

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第一回目:TASAKI
第二回目:TIFFANY&CO.
第三回目:Cartier