ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】デュモルティエライト:意味と和名、硬度。クオーツとの関係は?

藍から紫味を帯びた深いブルーのものが価値が高いとされている「デュモルティエライト(dumortierite)」。

宝石として研磨されるだけでなく、彫刻の素材としても人気。

近年では「デュモルティエライトインクォーツ」が発見され、一躍有名に。

今回はデュモルティエライトの基礎知識についてお届け。
艶やかな深青の宝石の魅力に触れてみましょう。

デュモルティエライトの意味、和名、石言葉は?

デュモルティエライトの意味と和名

1881年、フランス東部の「シャポノスト(Chaponost)」で発見されたデュモルティエライト

発見者はフランスの古生物学者「ユージーン・デュモルティエ(Eugène Dumortier)」。
宝石名は発見者の名が由来です。

モース硬度は7から8半。
直方晶系のケイ酸塩鉱物。

劈開は一方向に明瞭。

和名は「デュモルティエ石」。

主な産出地はアメリカとマダガスカル、そして日本。

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デュモルティエライトの石言葉

デュモルティエライトの石言葉は「希望」と「思慮」。

不安な時にも心を鎮めてくれそうな深い青に、インスピレーションを受けて生まれた石言葉かもしれませんね。

デュモルティエライトと多色性。デュモルティエライトインクォーツとは

デュモルティエライトのカラーバリエーション

ソーダライトラピスラズリとも混同されがちな青い宝石は、実はカラーバリエーションに富んでいます。

青に紫、茶、緑を示し、角度によって、赤、ピンクをもみせてくれるデュモルティエライト

基本はカボションカットやそのままの形を生かしたタンブルカットを施されますが、ファセットカットを施されることも。

ファセットを施すことでこの多色性をより堪能でき、なかでもステップカットは人気。

ただし、ファセットがつけられることは稀であり、ファセットカットのデュモルティエライトは収集家向けのものとして扱われるため、市場に出回ることはあまりありません。

デュモルティエライトインクォーツとは

 

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1881年に発見されてから約130年後の2014年。

針状の青い石が透明な宝石の中に包まれている、「デュモルティエライトインクォーツ」が発見されました。

透き通った水晶の中に浮かぶデュモルティエライトは、青い花が浮かんでいるような不思議な印象を与えます。

細やかな針の塊が複数見られるものは、青い火花が散っているかのよう。
ルチルクオーツの針が青くなった宝石、と想像していただくとピンとくるかもしれません。

発見地はブラジルのバイーア州(Bahia)

ブラジルで初めてのエメラルドの産地でもあり、現在もアメシストクォーツなどの宝石の産地です。

特徴的なインクルージョンを生かすためにカボションカット、タンブルカット、ビーズカットが基本。

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結晶の形が美しいものはそのままで標本用として、少し面をつけて多面体にされることも珍しくありません。

取り扱い時の注意点は?

7から8半、日常使いでも気負わず着用できるデュモルティエライト。
ただし、劈開があるため衝撃には注意。

他の劈開を持つ宝石と同じく超音波洗浄器厳禁。

汚れはセーム革などの柔らかい布で乾拭きして拭ってください。

デュモルティエライトインクォーツは、クォーツを参照してくださいね。

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ただし、インクルージョンがあるので、やはり衝撃は避けたい宝石です。

POINT

  • 1881年フランスで発見されたデュモルティエライト
  • 名前の由来は古生物学者「ユージーン・デュモルティエ(Eugène Dumortier)」から
  • 2014年ブラジルでデュモルティエライトインクォーツが発見
  • どちらも基本はカボションカットやタンブルカットを施される

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