ジュエリーの基礎知識

宝石の形の名前とは?宝石カットの種類と名称1:ファセットとカボション

宝石は原石をカットすることでその美しさが最大限に引き出されます。

参考記事:宝石のルースとは?英語でどう書く?原石からカット、加工の流れ

ジュエリーを選ぶ時に宝石の形の名前がすっと出てくると、望みの一品が探しやすくなりますよね。今回は宝石カットの基礎知識、基本の2大カットについてお届けします。

宝石の2大カットとは?

宝石のカットには大きく2つの方法があります。ファセットカットカボションカットです。

宝石の研磨職人は原石を見定めて(オリエンテーション)、最も適したカットを選びます。2大カットそれぞれの特徴を見ていきましょう。

面を持ち、美しい輝きを追求した「ファセットカット」

多くの方が「宝石」「ジュエリー」と聞いて思い浮かべるのは、この多数の小さな面が幾何学的な模様を織りなして輝く宝石のイメージではないでしょうか。

平らな面を切子面(=ファセット facet)といい、多数のファセットをつけるカットのことを「ファセットカット」と言います。
光の屈折を利用して内部から輝いているように見せるファセットカットは、主に透明な石、硬度の高い石に施されるカットです。

光をこまやかに反射させる効果のあるファセットカットは、そのカットの仕方でさらにさまざまな名前がつけられています。
有名なのはブリリアントカット。ダイヤモンドの反射や屈折率を数学的に考慮し、最も美しく輝くカットの形や角度を計算して考案されたカットです。

丸い形、石本来の魅力を楽しむ「カボションカット」

ファセットをつけず丸く半球形に磨き上げるのが「カボションカット」(カボッションとも)。カボションとは中世フランス語で「頭」を意味します。基本は長円形のドーム型です。

半透明、不透明な石に用いられることが多いカットで、キャッツアイ効果など光による表情を楽しみたい時もカボションカットが選ばれます。
また硬度面の問題もあり、ファセットのエッジが綺麗に出ないような硬度の低い石はカボションカットになることがあります。
翡翠やオパール、トルコ石など、またキャッツアイ、タイガーアイ、スター効果の出る石などが代表的です。

もうひとつのカッティング方法「ビーズ」

最初に2大カットと言いましたが、実はもうひとつ方法があります。穴を開けて糸を通せるようにした小さなパーツ、ビーズにするためのカットです。これはどちらかというと大きくジュエリーとして使うには向かない石(傷があるなど)を加工していることもあります。

POINT

  • 原石をカットすることで宝石の美しい輝きが最大限に引き出される
  • 2大カットは「ファセットカット」と「カボションカット」
  • 幾何学的な切子面があるのがファセット、半球形の丸い形がカボション

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