ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】ソーダライト:意味と和名、ラピスラズリとどう違う?

青地に白いスジが入った「ソーダライト(Sodalite)」。
古くからラピスラズリと混同されてきた一方、身分の高い人々に重用されてきた宝石。

工業用としてではなく、宝石としてビーズやカボション、その模様を活かした彫刻が施されます。

実は熱心なコレクターがいるこのソーダライト。ラピスラズリとの違いや、ソーダライトならではの魅力とは?

今回はソーダライトの基礎知識についてお届けします。

ソーダライトの意味。和名、石言葉は?

ソーダライトの意味と和名

岩石のナトリウム含有量が高いソーダライト。
実はナトリウムとはドイツ語で、英語では「ソディウム(sodium)」と表します。

このソディウムが化合物となると「ソーダ(soda)」となり、石を表す「ライト(ite)」と組み合わせて「ソーダライト(Sodalite)」と名付けられたのです。

1811年にグリーンランドで発見されたと伝えられています。
主な産出地はロシア、ドイツ、カナダ、インド。

モース硬度は5半から6、立方晶系の珪酸塩鉱物。

劈開はなし。

ソーダライトの和名は「方ソーダ石」。

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ソーダライトの石言葉

ソーダライトの石言葉は「潜在と顕在」。
古代エジプトでは「邪悪なものから身を守る石」として崇められ、知恵や理性を司るとも信じられていました。

ソーダライトとラピスラズリの違いは?

模様の入りかたによっては水面だったり、水に浮かぶ島を思わせるソーダライト。
カルサイトが網状に混じることも多く、その模様を活かしてカボションカットにされる傾向にあります。

青い不透明な宝石の代表ラピスラズリと混同されてきましたが、この二つの宝石はどう異なるのでしょう。

ラピスラズリとソーダライト

そもそもラピスラズリは複数の鉱物から成り、そのひとつにソーダライトも含まれます。

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見た目でいえば青い宝石というのは共通していますが、ソーダライトには透明感があるのが特徴
カナダのモン・サン=イレールで産出する透明なソーダライトは、その透明感を活かすためにファセットがつけられます。

また、同じカナダのオンタリオ州バンクロフトで採れるソーダライトは「プリンセス・ブルー」と呼ばれ、人気を得ています。

不透明石の印象が強いソーダライトですが、ファセットカットがよく映える透明〜半透明のものもとても美しく、ラピスラズリとはまた異なる魅力を堪能できるでしょう。

発光するソーダライト

ソーダライトには面白い性質があるのをご存知でしょうか。
実は紫外線を当てることで、多くのソーダライトが蛍光を発するのです。

地色は青、灰、白色ですが、蛍光はピンクやオレンジ、黄色などを発色します。
この蛍光色は産地によって異なります。

これはソーダライトに含まれている塩素がイオウに置き換わることで起こります。

そのほか、含まれる構成成分の一部が置き換わると、ラズライトやアウインといった宝石となるのです。

取り扱い時の注意点は?

耐久性が低く、割れやすいソーダライト。
彫刻が施しやすいといったメリットもありますが、着用時には衝撃に気をつけて。

不透明よりも透明な方が割れやすい性質があるので、取り扱いには注意してくださいね。

汚れを取る際には柔らかい布で拭うなど、超音波洗浄器は避けましょう。
また、保管時には他の宝石とぶつからないように、個別の保管をおすすめします。

POINT

  • 岩石の中にナトリウムを含むソーダライト
  • ラピスラズリを構成する鉱物のひとつ
  • ラピスラズリより透明感があるのが特徴
  • 紫外線を当てると多くが発光を発し、一部成分が置き換わるとラズライトやアウインに