夏のあいだ活躍してくれたシルバージュエリー・アクセサリーたち。
気がつけば変色していて「なんだか黒ずんでいる？」と首をかしげた経験もありますよね。
変色はシルバーの味わいのひとつ。
しかし、望まない変色ならば、適切なお手入れで黒ずみを除去してあげることが必要です。
今回は、変色してしまったシルバージュエリー・アクセサリーのお手入れ方法をお届け。
アイテム別に最適なメンテナンス方法もご紹介しますので、シルバーの黒ずみにお悩みの方はぜひご覧ください。
シルバーはなぜ変色する？ジュエリー・アクセサリーが黒ずむ理由は「硫化」
シルバー特有の黒ずみのおもな原因は、酸化ではなく硫化（りゅうか）によるもの。
そもそも、酸化と硫化はどう異なるのでしょう。
シルバーが黒くなる理由！酸化と硫化の違いとは
金属にみられる酸化は、酸素と化合して金属の表面に酸化膜ができた状態を指します。
一方、硫化は水分や空気中の硫化水素と化合して金属の表面に「硫化銀」を形成。
この硫化銀が黒ずみの正体です。
硫化は、温泉の硫黄成分と銀が化合することでも起きます。
この硫化反応を用い、作品に味わいをもたせる手法を「いぶし」と呼びます。
シルバーのいぶし仕上げとは？メッキとは違う？
「いぶし仕上げ」は、この硫化反応を利用したもの。
作品全体を黒っぽく見せることもありますが、多くは凹凸や刻印を際立たせるなど、一部に用いられます。
一見黒いめっきをかけているようにも見える「いぶし」は、別の金属を用いてコーティングするめっきとは異なるのです。
シルバージュエリー・アクセサリーの変色におすすめの手入れ方法
シルバーのお手入れは、家にあるものでも手軽に行えます。
しかし、重要なのは「どのアイテムをどのように手入れしたいのか」を明確にする必要があるということ。
たとえば、いぶし仕上げを施したシルバー。
手入れ方法を誤ってしまうと、せっかくの「いぶし」を落とすことにもつながります。
まずは、黒ずみ・変色の原因が何によるものか見極めましょう。
皮脂や化粧品、埃による汚れなら、超音波洗浄器や中性洗剤でのお手入れをおすすめします。
超音波洗浄器
埃や化粧品、皮脂の汚れ、水垢が原因でジュエリー・アクセサリーがくすむことも。
家庭用の超音波洗浄器をお持ちなら、貴金属に傷をつけずに汚れを落とすことができます。
ただし、宝石の種類によっては破損の恐れがあります。
宝石の硬度や靭性、劈開の有無を確認してから使用しましょう（不安なら使用しない方がベター）。
※超音波洗浄器では、硫化による黒ずみを落とすことはできません。
中性洗剤
中性洗剤を用いた方法は、特別な道具がなくても簡単に手入れが可能。
用意するものは、ぬるま湯と中性洗剤、容器、そして毛の柔らかい歯ブラシ。
容器にぬるま湯と中性洗剤、ジュエリーを入れ、歯ブラシで傷をつけない程度に軽くこすりましょう。
もし、これらの方法でも黒ずみが取れないなら、シルバー自体が変色しているということ。
変色にはシルバークリーナーやシルバークロスなど、専門のメンテナンス用品を使用しましょう。
シルバークリーナー
液体にシルバーを浸すだけで、簡単に黒ずみを取ることができます。
宝石が留められていて液体に浸せないジュエリー・アクセサリーも、綿棒を使用した部分的なお手入れが可能。
サテン・梨地仕上げのジュエリー・アクセサリーや、チェーンの黒ずみにおすすめです。
シルバークロス
布に研磨剤が含まれており、軽く拭うだけでジュエリーの表面を研磨することができます。
シルバークリーナーと異なる点は、黒ずみを落とすだけでなく磨きあげるため、表面にできた細やかな傷にも効果抜群。
小傷で光沢がなくなっているジュエリー・アクセサリーにおすすめ。
そのほか、重曹や塩を用いたお手入れ方法もありますが、専用のお手入れ用品を揃えることで、日々のメンテナンスも気軽で楽しい時間へ。
専用のクロス・クリーナーを用いたお手入れは意外と簡単なので、ぜひお試しくださいね。
メンテナンス・保管時の注意点
洗浄後は真水ですすぎ、しっかりと水分を拭うことが重要。
濡れたままでは埃などの汚れが付着しやすいため、柔らかい布で水分をとってから使用・保管しましょう。
また、洗面所でお手入れを行う際には、ジュエリーが排水口に流れてしまった！というアクシデントに注意。
ボウルや容器を用いて、水と一緒に流さないような工夫が必要です。
POINT
- ジュエリーは使用後に軽く汚れを拭き取る習慣をつけましょう
- アイテム・デザインごとに適したお手入れ方法がある
- 洗浄後のすすぎの際、ジュエリーが落下しないよう対策を
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。
