ジュエリーの基礎知識

ハワイアンジュエリーとは?模様・モチーフの意味や種類【基礎知識編】

世界には各国それぞれ伝統的なジュエリーが存在します。

現在はアメリカの州であるハワイは19世紀までは独立した王国でした。ハワイの美しい自然と溶け合った独自の豊かな文化がジュエリーに刻まれて今に伝わっています

日本では「ハワイアンジュエリー」という名称で販売されることが多いですが、正式には「ハワイアン・エアルームジュエリー(Hawaiian Heirloom Jewelry)」といいます。

Heirloomは、代々受け継がれる宝物といった意味。

ジュエリーと聞いて一般的に思い浮かべるような宝石・貴石を配したデザインではなく、シルバーやゴールドなどの金属に彫刻をほどこしたアイテムが主流です。

このシリーズでは、ハワイで親から子、友人や恋人など大切な人に、ハワイの海や島の自然をモチーフにメッセージを込めて贈られるハワイアンジュエリーについてご紹介します。

1回目となる今回は【基礎知識編】として、ハワイアンジュエリーの歴史やそれぞれの模様・柄が持つ意味、素材やデザインなどを知っていきましょう。

2回目では現地でのハワイアンジュエリー事情やトレンドなど【最新情報】を現地取材にてお届けします!

ハワイアンジュエリーの歴史

太平洋のまん中に浮かぶハワイ諸島。

大昔、ポリネシア(タヒチやニュージーランド)の人々が太平洋を4000キロ以上も超えてカヌーでたどりついたのが島の歴史のはじまりだと言われています。

18世紀にキャプテン・クックが訪れてからは欧米との交流が始まり、19世紀についにアメリカの一部になってしまうまでハワイ王朝が続きましたが、この期間にはさまざまなかたちで、西洋とハワイの文化がミックスされた音楽や衣服などのスタイルが生まれました。

アクセサリーもその1つで、リリウオカラニ女王が英国のビクトリア女王との親交を通じインスピレーションを得て作らせたメッセージ入りのブレスレットが、現在のハワイアンジュエリーの起源……という説もありますが、それより古い時代に同様のアクセサリーが残っているという説もあり、明確には分かっていません。

しかし、現在でもハワイの人たちはこのハワイアンジュエリーをとても愛していて、人生の節目の記念やお守りとして贈り合い、親から子へと受け継いで、いくつも身につけている人をたくさん見かけます。

ハワイアンジュエリーの模様・柄にはそれぞれ意味がある

世界有数の都会的なリゾートでありながら、ゆたかな海や山の自然にも囲まれたハワイ。人々は身近な動植物から火山など森羅万象すべてに、神様や先祖の魂が宿ると考えています。日本の「八百万の神様」と通じる感覚ですよね。

ハワイアンジュエリーのモチーフの意味

ハワイアンジュエリーに彫られたモチーフもすべて自然物であり、1つ1つに意味があります。その一部と、よく使われる用途を紹介します。

 永遠の愛
ハイビスカス  幸せな未来
ホヌ(ウミガメ)  安全
パイナップル  金運アップ
ハート  愛情
マイレ  絆
プルメリア  大切な人の幸せ
釣り針  ラッキーチャンス
ティーリーフ  魔除け
ヤシの木  家族愛

それぞれ複数の意味があり組み合わせによっても変わるため、上記の限りではありませんが、たとえば誕生日にプルメリアのジュエリーをプレゼントすれば「大切なあなたの幸せを祈ります」というメッセージになりますし、就職や起業する友人にはパイナップルや釣り針モチーフのネックレスなどを贈れば成功へのエールになりますね。

ハワイアンジュエリーの文字の意味

メッセージをハワイ語で彫ったデザインも人気です。

古代ハワイには文字がなく、すべての歴史は言葉だけで伝えられてきましたが、現代ではアルファベットとハワイ語独特の発音を示す記号を組み合わせて文字で表せるようになっています。

上記はハワイの老舗ジュエリーショップ「LONO – God of Peace」のネックレスです。ハワイ語で「Kuuipo」は「私の大切な人」つまり恋人を意味します。左右には幸福な未来を意味するハイビスカスが彫られていて、恋人がいつも幸せであるようにという願いを込めてプレゼントするのにぴったりなデザインですね。

ハワイアンジュエリーの種類やアイテム・素材

ハワイアンジュエリーのアイテムは、リング(指輪)、ネックレス、ブレスレットやバングルをはじめ、イヤリングやピアス、アンクレットまで種類豊富です。

素材はシルバーとゴールドがもっともポピュラーです。

シルバーは手頃な価格で手に入るのが魅力。ゴールドは値は張りますが、表面が曇ったり黒くなることが少なく、時代を超えて受け継ぐのにふさわしい品質です。

リング

上記は ハワイ語で“勇気と美”を意味する「Koa nani」のペアリングです。

愛や信頼・絆などを表すモチーフの多いハワイアンジュエリーは、結婚指輪としてもよく選ばれます。

 

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上記はローカルにもファンの多い「MAXI HAWAIIAN JEWELRY」のマリッジリング。やっとハワイなど海外挙式もできるようになってきた今、ハワイアンジュエリーの結婚指輪なら、見るたびに思い出がよみがえりそうですね。

ネックレス

首もとで揺れるネックレスはひときわ目をひくアイテム。お気に入りのモチーフを選びたいですね。

 

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上記は繊細で優雅なオリジナルデザインが人気のショップ「Manoa Love Design」のネックレス。プルメリアの花がいくつもあしらわれていて可憐なイメージですね。

 

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伝統的なモチーフだけではなく、フラガールなど今風のデザインも。

ブレスレット・バングル


トラディショナルな彫りのバングルは、幅の広いものから細く華奢なものまでいろいろ。ローカルではよく重ねづけしている人も見かけます。

イヤリング・ピアス


ころんと可愛いハートのイヤリングにはティリーフの彫刻が入っていてひと味違う輝き。プレゼントにも良いですね。

POINT

  • ハワイアンジュエリーとは、愛や友情などのメッセージを込めて身につける金属製のアクセサリー
  • 1つ1つのモチーフに意味やストーリーが込められている
  • 素材はシルバーやゴールド、アイテムは指輪・ネックレス・ブレスレットなど種類豊富
第2回目はハワイ・オアフ島で現地のジュエリーショップに取材し、大人女性に人気&おすすめのデザインを紹介します。お楽しみに!