ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】ダイオプテーズ:意味と和名、硬度。エメラルドより「エメラルド」?

ハワイの海のような深みのあるグリーンが美しい「ダイオプテーズ(dioptase)」。
エメラルドよりも「エメラルドグリーン」という言葉が似合うブルーグリーンの宝石は、透明度も高く一部の収集家の間でとても人気です。

今回はダイオプテーズの基礎知識についてお届け。
ダイオプテーズの意味と和名、その美しさに反してあまり有名でない理由とは?

ダイオプテーズの意味、和名、石言葉は?

ダイオプテーズの意味と和名

ギリシャ語で「貫通する」を意味する「dia」と、「見える」を意味する「optazein」が由来。

ふたつを組み合わせて「ダイオプテーズ(dioptase)」。

なぜ「貫通する」と「見える」かというと、内部のインクルージョンが鮮明に見えるから、と伝えられています。

色だけでなく、インクルージョンがつきものという点においてもエメラルドと似ていますね。

モース硬度は5。
三方晶系の珪酸塩鉱物。

結晶が明瞭なものは、原石のままジュエリーに仕立てられることも珍しくはありません。

劈開は三方向に完全。

和名は「翠銅鉱(すいどうこう)」。
銅脈が酸化によって変化した場所に生成するため、「銅」の文字が取り入れられているのですね。

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主な産出地はカザフスタン、イラン
1797年にロシア皇帝パーベル一世に献上されたエメラルドは、実はカザフスタン産のダイオプテーズだったという逸話があります。

ダイオプテーズの石言葉

ダイオプテーズの石言葉は「安定」。
名前の由来から、持っていると見通しが良くなると信じられ、安定につながると信じられてきたのかもしれませんね。

ダイオプテーズとエメラルド。ふたつの宝石の違いは?

宝石の品質を決定する「耐久性」

エメラルドに肩を並べる美しさを持つとも言われているダイオプテーズ
しかし、ジュエリーで仕立てられるどころか、ルース(裸石)を見る機会も多くはありません。

青みを帯びた緑はいかにも宝石という佇まいであるのにも関わらず、ダイオプテーズが一般消費者の目に届かない原因は「脆さ」にあります。

宝石が宝石として認められるためには、「美しさ」や「希少性」だけでなく「耐久性」も重要です。

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宝石における「耐久性」とは、「硬度」の高さや「不変性」など、宝石が宝石としてあり続けるための堅牢性を示すものであり、ダイオプテーズはその「耐久性」に欠けるためエメラルドほどの名声を得るに至らなかったのです。

もちろんエメラルドもインクルージョンが多いなどの性質はありますが、硬度7と十分な硬さをもち、割れやすいものの劈開がダイオプテーズほど強くないため、四大宝石の一角を担えるのですね。

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硬度がもう少し高ければ、劈開がなければ。
もしかするとエメラルドに代わってダイオプテーズが四大宝石に数えられていたかもしれませんね。

取り扱い時の注意点は?

モース硬度5、劈開も三方向に完全。

加えて酸にも弱いため、ジュエリーとして身につけるのであれば使用後の手入れに細心の注意を払わなければならない宝石です。

手違いで超音波洗浄器をかけようものなら、一瞬で粉々になってしまうほど。
そもそも衝撃そのものに耐性がないため、着用時に手入れ時、保管時に至るまで丁寧に扱うことを忘れずに。

ピアスやイヤリングはリングより着用時に他のアイテムとの接触が少ないため、ダイオプテーズに限らず硬度の低い宝石を身につけたいならおすすめのアイテムです。

POINT

  • エメラルドに匹敵する美しさを持つダイオプテーズ
  • ギリシャ語の「貫通する」「見える」が由来
  • 硬度5、劈開が三方向に完全という脆い性質のため、美しさに見合わず知名度が低い

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