ジュエリーの基礎知識

宝石とは何?宝石と鉱物との違いとは?宝石の基本、定義と種類

子どものころから、よくわからずともキラキラ輝く宝石のリングやペンダント、ティアラに憧れた人は多いもの。ルビー、サファイア、エメラルド、ダイヤモンド、パール…「ジュエルペット」や「宝石の国」、さらには「ポケモン」で宝石の名前を覚えて興味を持った方もおられるかもしれません。

でも、ここでふと疑問がわきませんか。
そもそも宝石って何?

さまざまな石の中でも、宝石と鉱物は何が違うのでしょうか?宝石を決める定義とは?真珠は貝から生まれるけれど宝石と呼んでいいの?
今回は「宝石と鉱物の違い」と、宝石の種類についてお届けします。

鉱物とは地球を構成する最小単位。宝石は選ばれた鉱物

そもそも、鉱物とは何?

鉱物Mineral ミネラル)とは、人間が見る事が出来る「地球を構成する最小単位」。

地球は岩石から成り立っています。地殻変動により地球内部の金属を含むマグマが結晶になった固体など、岩石ができる過程で生成されるのが鉱物です。長いものでは数億年という年月を経て成長した大地の結晶であり、私たちに地球の歴史を教えてくれます。

世界には約4700種の鉱物が知られており、毎年新鉱物が発見されて増え続けています。日本では1230種もの鉱物が採れるそうです。

鉱物の中で宝石と言われるのは約130種、さらにジュエリーとして使われているのは約50~70種と言われています。

宝石と鉱物の違いは?宝石の定義とは?

鉱物の中でも選ばれた存在となる宝石Jewel ジュエル)の定義とは何でしょうか?

まず、「何が宝石かどうか」の基準は人間が長い歴史の中で決めてきたものです。
宝石の定義としては、主に以下のポイントがあげられます。

宝石を定義するポイント

  • 大自然が生み出したもの(これは鉱物も宝石も同じ)
  • 美しいもの…人間が美しいと感じるか
  • 耐久性があるもの…永く身に着けることができるか
  • 希少性があるもの…珍しい、手に入りにくいものか

大自然が生み出したもの

人間は古来から、珍しく美しい石や透き通った石を発見して自然の驚異や神秘を感じ価値を見出してきました。大地や自然の営みから生まれ、二つとして同じものがないのが宝石の魅力です。

美しいもの

色の美しさ、輝きの美しさや透明感などから多くの人間が「美しい」「価値がある」「欲しい」と感じるかどうかが重要です。

耐久性があるもの

永く身に着けられ、使用しても劣化しにくく、時には世代を超えて受け継がれる…割れにくさや耐久性は宝石であるかどうかの基準になります。

宝石の格を決めるひとつの目安が硬度です。一般的にはモース博士による「モース硬度」が基準となります。

希少性があるもの

宝石が欲しいと思う人に対して、産出量や市場に出回る数が少なければ価値は上がります。産出量が少なく珍しいことや、産地による品質の違いなどによってもその希少価値、評価は変わるものです。

宝石の価値や品質を判断する7つの要素とは?

宝石はこのようなポイントに基づき、品質を見極める7つの要素で価値判断されます。

宝石の品質 7つの要素

  • 色相と鉱物種
  • 産地
  • 処理の有無
  • 姿と輝き
  • 濃淡
  • 不完全性
  • サイズ

「不完全性」という視点が面白いですね。宝石は大自然が生み出したものだからこそ、不完全なことが自然の証となります。欠点なのか自然の証なのかを見極めるのもまた人間(宝石のプロ)です。

宝石は自然のものですが、手を加えられてその価値や品質を人間が決めているという点ではとても社会的な存在なのですね。

珊瑚、真珠、琥珀は?「無機宝石」と「有機宝石」

さて、宝石には大きく2つの種類があります。「無機宝石」と「有機宝石」です。

いずれも「大自然が生み出した希少で価値あるもの」という点では一緒ですが、成分・生成過程などが異なります。

無機宝石とは?…ダイヤモンド、ルビーなど

無機宝石の多くは鉱物です。宝石となる鉱物が生まれる場所を大きく分けると地球の深部(ダイヤモンドなど)、地表近く(オパールなど)、その中間(ルビー、サファイアなど)の3か所となります。地球が地質学的なプロセスで育んだ結晶です。

有機宝石とは?…真珠、珊瑚、琥珀など

有機宝石とは生物がその活動によって生み出したものや有機物から生成されたものになります。

鉱物とは違う独特の輝きやツヤ感(真珠でテリと呼ばれる輝きなど)による美しさが魅力で、生物起源の宝石として古来から珍重されています。

有機宝石の例

  • 真珠(パール):アコヤ貝など特定の貝が代謝によって体内で生成する結石。
  • 珊瑚(コーラル):海中の微生物(刺胞動物)で固い骨格を発達させるもの。
  • 琥珀(アンバー):太古の樹木が分泌した樹液が化石化した樹脂。
  • 貝殻(シェル):貝殻の真珠質を使うもの。マザーオブパールなどと呼ばれる。
  • ジェット:海に流れ着いた木が海底で長い年月を経て炭化した化石。

POINT

  • 宝石とは人間によって選ばれた鉱物の一部
  • 宝石の定義は「大自然が生み出した」「美しさ」「耐久性」「希少性」がポイント
  • 宝石の種類としては「無機宝石」の他に「有機宝石」もある

鉱物から宝石の価値を見出し、磨き上げ作り上げているのは人間ですが、宝石そのものは地球の存在と活動なくしては生まれていません。宇宙や地球のあり方から人間の歴史すべてを紐づけて美しく存在し続ける宝石とは本当に奥深い存在ですね。

<参考文献>
・美しい鉱物(松原聰監修)
・価値がわかる宝石図鑑(諏訪恭一著)

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