ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】タイガーアイ:和名と意味、石言葉。色は茶・イエローとブルーだけ?

古くからその美しさを讃えられる「瞳」。

宝石にも「瞳」の名前がついた石や効果があり、「タイガーアイ(Tiger’s eye)」はそのひとつ。

今回はタイガーアイの基礎知識についてお届け。

タイガーアイの色は黄色、茶色だけ?
どのような輝きをみせてくれる宝石なのでしょう。

タイガーアイの和名と意味は?

タイガーアイの和名と硬度。

英語でそのまま「虎の目」を意味するタイガーアイ(Tiger’s eye)

和名もそのまま「虎目石(とらめいし)」。

ただ、古代エジプト時代から神の像の目に用いられていたとされており、当時は「神の目」「第三の目」と呼ばれていました。

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主な産出地は南アフリカ、オーストラリア、ナミビア。

モース硬度は7、三方晶系の珪酸塩鉱物。
鉱物名は石英(せきえい)、アメシストの仲間で硬度が同じ。

劈開はなし。

石言葉

タイガーアイの石言葉は「洞察力」。
虎の目の虹彩に例えた縞模様を見て、先々を見通し幸運を招くと信じられてきました。

タイガーアイの色と価値。ブルー・タイガーアイって?

アメシストとタイガーアイ。同じ石英?

上記で少し触れましたが、アメシストと同じ石英に属するタイガーアイ

色も模様も似て非なる石英に所属する宝石たちは、結晶の生成方法が異なります。

アメシストは透明で単結晶。

対してタイガーアイは不透明で、繊維状の鉱物に石英が染み込んで硬化することでできる宝石。

この繊維状の鉱物があるおかげでタイガーアイの魅力的な色と模様が生まれます。

タイガーアイの色とアイストーン

他の宝石にはない、混ざり合った茶褐色が美しいタイガーアイ

実は石英の中に含まれる鉱物の鉄分が酸化し、茶色を発色しています。

酸化する前は青灰色をしており、このブルー・タイガーアイは「ホークアイ」と呼ばれます。
深みのある青色が特徴。

また、熱処理を行い赤褐色になったものは、レッド・タイガーアイ

含まれる鉱物の酸化、または加熱で色を変える不思議な宝石ですね。

中に入った繊維状インクルージョンは変化しないため、カボションやビーズへ加工すると鋭い眼光のようなキャッツアイ効果を表します。

タイガーアイを含む「アイストーン」と呼ばれる宝石は、その模様を本物の目に見立てて「すべてを見通す心の目」としての効果があると信じられてきました。

不思議な力、霊力が宿る聖なる宝石をアイストーンと呼んだのですね。

タイガーアイは聖なる力に虎の強靭さが合わさることで、あらゆる災いをはねのけると信じられていたのです。

タイガーアイとキャッツアイ(シャトヤンシー)効果

たくさんある宝石の用語の中で、紛らわしいのが同じ単語がつくもの。

タイガーアイとキャッツアイ。

同じ「アイ」を持ちますが、それぞれ「宝石の名前」と「光の効果」を指します。

タイガーアイはキャッツアイ(シャトヤンシー)効果を持つ宝石。

一方、キャッツアイ効果はカボションやビーズなど曲面に研磨されることによって出現する効果のことを指します。

キャッツアイ効果はタイガーアイ以外にルビーサファイアクリソベリルなどにみることができます。

取り扱い時の注意点は?

タイガーアイは塩分に弱い性質を持っています。
そのため汗、海水に注意が必要です。

使用後は軽く水洗いした後に柔らかい布で水分をしっかり拭ってから保管してあげてくださいね。

POINT

  • 古代エジプトで「神の目」と呼ばれたタイガーアイ
  • 繊維状の鉱物に石英が染み込んで硬化したアメシストの仲間
  • 中の鉱物は元々青色、酸化し茶褐色、黄色を示し、加熱すると赤褐色に
  • 塩分に弱い性質を持っているため汗や海は厳禁、使用後は念入りに手入れを行う

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