ジュエリーの基礎知識

【宝石の種類】サードオニキス:意味と誕生月、縞目が美しいカメオの素材

アメシストもアゲートも「石英(せきえい)」という仲間。

石英はアメシストに代表される単結晶の「水晶」と、カルセドニーに代表される多結晶質の「めのう」に分類できます。

この「めのう」の一種であり、誕生石にも制定されているのが「サードオニキス(sardonyx)」。

オレンジに白と褐色の縞目が美しい宝石は、ギリシャ神話にも登場するほど古くから用いられてきました。

今回はサードオニキスの基礎知識についてお届けします。

サードオニキスの意味、和名は?いつの誕生石?

サードオニキスの意味と和名

サードは「玉髄(カルセドニー)」を表します。
語源はペルシャに滅ぼされた古代国家「リュディア(Lydia)」の首都であった「Sardis」から派生。

オニキスはギリシャ語で「爪・縞目」を表し、正確には白と黒の縞目のものを指していましたが、現在では縞目を有するカルセドニーであればオニキスと呼ばれます。

モース硬度は7、三方晶系の珪酸塩鉱物。

劈開はなし。

サードオニキスの和名は「赤縞瑪瑙(あかしまめのう)」。
オレンジに白と褐色の縞目が特徴の宝石です。

稀に黒が入った三色の縞目が現れているものもあり、謙虚さ・美徳・勇気を象徴すると伝えられています。

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サードオニキスの石言葉

サードオニキスの石言葉は「夫婦の幸福と和合」。
愛と美を司る女神、ヴィーナスと深く関わりのある宝石として、サードオニキスもまた「愛」の象徴とされてきました。

8月の誕生石

サードオニキスは8月の誕生石。
カラーバリエーションが一色しかないのはペリドットと同じですね。

どちらも明るく華やかな色味ですが、与える印象が異なるのでお好みの宝石を誕生石に選んで。

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サードオニキスと色。カメオやカボションが多いのはなぜ?

サードオニキスの色

温かみのあるオレンジが夏の晴れやかさにも映えるサードオニキス。
すでに述べたように、オレンジの地色に白と褐色の縞模様が印象的な宝石。

これが褐色ではなく赤になると「カーネリアンオニキス」と呼ばれます。

サードオニキスと縞模様

宝飾品として使用するのに適した硬度と、彫りにより生まれる層のコントラストが多彩な表情を生み出すサードオニキス。

古代ローマ時代からカメオやインタリオの素材として重宝されてきた素材です。

この層の部分を彫ることで色のコントラストを生み出します。
古代ローマの時代から宝飾品以外にも彫刻、印材として人気を得ていたのです。

宝飾品としてはカボションカットを施される傾向にあります。
縞模様の美しさを存分に堪能できるカボションはカメオやインタリオと比べても手頃な価格で入手しやすいです。

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また、表裏の縞模様や色の濃淡の違いを楽しめるビーズも人気があります。

評価が高いのは縞模様がはっきりと出現したもの。
色の濃淡差が素晴らしい表現を引き出すとされているからです。

しかし、薄い縞模様でも彫刻の素材として人気があるものも多いため、全体の印象が重要と言えます。

取り扱い時の注意点は?

比較的扱いやすい宝石ですが、使用後は汗や汚れを柔らかい布で拭うなどの基本的なお手入れを行うことを忘れずに。

劈開もなしに分類されますが、どの宝石にもいえるように強い衝撃は避けましょう。

色は天然だけでなく、人工的に着色されているものも多く流通しています。
着色されたものでも処理が完全であれば退色の恐れはありません。

POINT

  • 石英の一種、めのうに分類されるサードオニキス
  • サードオニキスは8月の誕生石
  • 天然の色味だけでなく、人工的に着色されたものも

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