パリ・ヴァンドーム広場に店舗を有するイタリアンジュエラーといえばどのブランドを思い浮かべるでしょうか。
ブルガリにダミアーニ。
錚々たるジュエラーと肩を並べるのは、モナコで王室御用達として知られるジュエリーブランド「REPOSSI(レポシ)」。
日本での知名度は低いものの、ユニークなのにラグジュアリーなデザインは一部のジュエリー好きの間では知られた存在。
【ジュエリーブランドの名品】第三十二回目は「REPOSSI(レポシ)」。
ブランドを生まれ変わらせたデザイナー、「ガイア・レポシ(Gaia Repossi)」の功績やモナコ王室との関わりをご紹介。
レポシの特徴とその歩み
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「REPOSSI(レポシ)」は現在まで三代にわたり、そのマインドが引き継がれています。
ブランドを立ち上げたのは「コスタンティーノ・レポシ」。
1957年にイタリア・ミラノで「REPOSSI(レポシ)」を設立。
その息子である「アルベルト・レポシ」が国を超えてブランドを広め、その娘で創業者の孫にあたる「ガイア・レポシ」が2007年にアートディレクターに就任し、ブランドに新しい風を吹き込みました。
「ガイア・レポシ(Gaia Repossi)」によるリブランディング
大学で民俗学を専攻し、コンテンポラリーアートや近代の彫刻・建築に造詣の深いガイア・レポシ。
ジュエリーを宝飾品の枠に収めない大胆なデザインで、新しい「レポシ」を築いたのです。
たとえば2010年に展開した「ベルベル(Berbere)」。
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アートディレクターに就任後、初めて展開したコレクションであり、エッジの効いたミニマルなデザインは遊牧民族のマルチラインタトゥーからインスピレーションを受け制作されています。
ブランドが打ち出している「セカンドスキンジュエリー」にふさわしい、肌や服、身につける人になじむデザイン。
「レポシ(Repossi)」とモナコ
イタリア生まれのジュエリーブランドがモナコとの関わりを持ったのが、創業から21年後の1978年。
国外進出の一歩目であるモナコで、各国の王室との関わりを持ちました。
ジュエラーとしての名声が高まるなか、1994年にモナコ王室御用達ジュエラーに指名。
今ではモナコのジュエリーブランドと認識している人も多いほど、モナコで国際的な地位を確立したのです。
グレース・ケリーを母に持つカロリーヌ公女の婚約指輪の製作も手がけています。
レポシを代表する名品
業界の常識を打ち破る革新的なデザインは自他共に「競合ブランドはない」と認めるほど。
アヴァンギャルドでありながらも作りにこだわったタイムレスな美しさは、「新しいジュエリー」に出会いたい方にぴったり。
ここでは3つのコレクションをご紹介します。
セルティ・シュール・ヴィド(Serti Sur Vide)
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指にはめた時、ダイヤモンドがリングから離れて浮かんでいるようにみえる「セルティ・シュール・ヴィド(Serti Sur Vide)」のリング。
「フローティング・ダイヤモンド」として再解釈されたアイコニックなジュエリーは、セッティング位置がさまざま。
中間の開いた部分が、指や腕をすっきり美しく演出してくれます。
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バーにぶら下がったペアシェイプのダイヤモンドネックレスは、華奢なラインで構築されたアシンメトリーなデザインが「ありそうでなかった」を叶えています。
アンティフェール(Antifer)
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少し変わったシルエットのリングが、2連、4連、8連、10連、12連と連なっていくごとにラグジュアリーさをます「アンティフェール(Antifer)」のリング。
正面から見ると幅広リング、角度をつけると尖ったポイントをずらしたリズミカルで建築的なデザインを堪能。
2013年に誕生して以来、ブランドを象徴するアイテムとして注目度が高まり続けています。
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パヴェダイヤモンドの有無によっても印象を変える「アンティフェール(Antifer)」は、リングとブレスレット、ピアスを展開。
2/3周のパヴェダイヤモンドを敷き詰めた4連リングは、程よいボリュームがラグジュアリー。
手のひら側にダイヤモンドを留めないので、フルエタニティよりも身につけやすいのが嬉しいですね。
セルティ・アンヴァーセ(SertiInverse)
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現代彫刻の構造からインスパイアされた「セルティ・アンヴァーセ(SertiInverse)」。
終わりと始まりのないループするシルエットが、身に付ける人の無限の可能性を引き出してくれるかのよう。
プラチナの枠を飛び出すかのようなペアシェイプダイヤモンドの躍動感は唯一無二。
カラーF、クラリティーVS以上のダイヤモンドを用いた、ブランドを代表するにふさわしい逸品です。
POINT
- 1957年イタリアはトリノ創業の「レポシ」
- 1994年モナコ王室御用達ジュエラーに指名
- 創業者の孫「ガイア・レポシ」が2007年にアートディレクターに就任、ブランドの顔となるジュエリーをデザイン
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。