2022年の秋（10月期）ドラマの中でも注目の木曜劇場「silent(サイレント)」(木曜夜10時～、フジテレビ系)。
幅広い役柄をこなしてきた川口春奈さんと、音を失うという難役に挑むSnow Manの目黒蓮さんの共演でも話題の、本格ラブストーリーです。
今回は「silent（サイレント）」・青羽紬（あおば・つむぎ／川口春奈さん）の衣装についてポイントをお届けします。
この投稿をInstagramで見る
新進気鋭のスタッフ・キャストが紡ぐ「silent(サイレント)」の世界観
静謐なのに感情があふれ出す「silent」の魅力
「silent(サイレント)」第1回を視聴して感じたのは、独自の静謐な世界観と、ひとの感情を大切にしようという空気。
脚本や演出に新進気鋭のスタッフを集めた作品だけあって、シーンの作り方や台詞など、学生時代から現在にいたる日々の中に揺らぐ心を真摯に丁寧に紡ぎ出す印象です。
少しづつ予兆を見せての、ラストでの、紬（川口春奈さん）と想（そう／目黒蓮さん）の再会シーンは素晴らしかったですね。想の必死な表情、声にならない想いの力に胸を掴まれました。
映像全体も、冬の雪空のような色合いを中心に、キービジュアルから衣装までまとまったイメージが美しい、映画のような作品です。
「silent」の世界観に寄り添う衣装が、等身大の女性像を作る
衣装合わせの画像はこちら。
◤新木10ドラマ『#silent』◢
クランクイン前に行われる「衣裳合わせ」#川口春奈 さん演じる紬のイメージに合わせて集められた衣裳や靴の写真をご覧ください❕ pic.twitter.com/849qt5ABqQ
— 「silent」川口春奈×目黒蓮（Snow Man）❄️10月6日スタート新木10ドラマ公式❄️ (@silent_fujitv) September 7, 2022
ドラマ全体の世界観からつながった空気が衣装にも反映されています。
青羽紬という名前からも連想される「青」が基調に。ブルーからグリーン、ベージュ、ホワイトやアイボリー…寒色系とナチュラルカラーが中心ですね。素材で言えばデニムやニット。柄はチェック。足元はスニーカー。
つくりようでは華やかにもなる川口春奈さんが、あえて普通のカジュアル、どこかにいる等身大の女性・CDショップ店員の紬（つむぎ）になれる衣装。
学生時代ともつながる青みのカラーに、独特のニュアンス感、ラフさと温もりがある…ナチュラルな紬のイメージが浮かんできます。
「Silent（サイレント）」紬（川口春奈さん）の衣装のポイント
作品の世界観とキャラクターに寄り添う紬の衣装、気になるアイテムを見てみましょう。
世界観と奥行きを感じるチェックのコートやブルー系アウター
グレイッシュブルーなトーンが印象的なふたりのビジュアル。
この投稿をInstagramで見る
紬の温かみのあるチェックの着流しコートは、軽く羽織るボタンレスデザイン。グレイッシュで複雑なチェック柄の色合いが奥行のある表情をつくります。包み込むようなコクーンシルエット。
想（目黒蓮さん）もグレイッシュな中綿ブルゾンで、わずかに色味のあるモノトーンが映画のようなふたりに。
アウターやチェックの配色もグリーンやブルーなど寒色系が多かったですね。はっきりしたグリーン×ホワイトのタータンチェックシャツ、鮮やかなブルーのマウンテンパーカ、デニムなど。
コンパクトデニムジャケットはヴィンテージのボーイズブルゾンをベースにしたジャケットで、ショート丈でアームが太い絶妙なバランス。
動きやすい！ジャンプスーツ、オーバーオールやサロペット
また紬のスタイリングで目立ったのは、動きやすいジャンプスーツやホワイトのオーバーオール、幾何学柄のサロペットなど、ウエストを締めないアイテムのコーデ。カジュアルで愛らしいワークスタイルは参考にしたくなります。
先染めチェックのコーデュロイ素材は懐かしく新しいムード！
この投稿をInstagramで見る
音楽好きでCDショップ勤務、というところからグラフィカルなTシャツも多用。アクセサリーはチェーンとコインネックレスの重ね付けで。
ラフさや温かみを感じるニット
「紬（つむぎ）」という名前には「紡ぐ（つむぐ）」という印象が。人間関係を紡ぐ、という意味もあるでしょうし、紡いだ糸を感じるラフなニットは、紬らしいアイテムのひとつといえそう。
冒頭のイメージビジュアルで着ていたのは、ダメージ加工フリンジニット。ラフでゆるやかなナチュラルカラーのニットが、紬のイメージ。
衣装合わせの写真にあるクラッシュニットも今後登場しそうですね。段染めの糸使いで編むと現れるブルーグリーンのグラデーション、寒色系のニュアンス感が作品世界にマッチ。
今後登場するクロシェニット。
この投稿をInstagramで見る
クロシェ編みのニットはレトロなかぎ針編みの柄が温かみと存在感ある雰囲気で、コーディネートの幅が広がる一着。グラニーニット（おばあちゃんのニット）とも呼ばれます。
スニーカー中心の足元にも注目！
コンバースやVANSなど、履き心地のよさそうな足元チョイスも今どきのリアル。
注目したいのは、フィンランドのブランド・KARHU（カルフ）のスニーカー。
歴史あるスポーツブランドならではの上質な履き心地と、北欧らしい、どこかレトロで愛らしい配色。さまざまなコーディネートに取り入れやすそうです。
KARHUはフィンランド語で「熊」。サイドのMロゴはフィンランド語で「チャンピオン」を意味するMestariのMなのだそう。
【おまけ】統一感といえば、「聴く」がポイントになるドラマではイヤフォンやヘッドフォンも大切な小道具だと思いますが、高校時代の想が使っていたイヤフォンもブルー！
コードの色ひとつとっても印象的な「silent(サイレント)」なのでした。
POINT
- 「silent(サイレント)」は切ないラブストーリー。静謐なのにエモーショナルな世界観に注目
- 青羽紬という等身大の女性を演じる川口春奈さんの衣装も世界観に寄り添う
- ニュアンスのあるカジュアルスタイル、ワークスタイルを参考に
とてもナイーブなテーマを扱っている「silent(サイレント)」。実際にろう者の俳優も出演するそうです。初回の印象からは、誰の人生にも起こるさまざまな現実と感情、コミュニケーションと真摯に向き合う、大切なストーリーを紡いでくれる予感がします。
再会した紬と想をめぐり、湊斗（みなと／鈴鹿央士さん）、家族や周囲の人々は…今後もドラマの行方を追っていきたいです。
【ファッション用語】ジャンプスーツ、オーバーオール…「ワンピースのズボンタイプ」の名称についてはこちら！
マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。
