ジュエリーの基礎知識

甲丸?エタニティ?形状・デザイン・種類ごとのリング(指輪)の名前

「甲丸リング」や「エタニティ・リング」「ソリテール」
名前は聞いたことがあっても、どんな形状・デザインのリング(指輪)なのかをパッと思い浮かべるのは難しいですよね。

「甲丸」と「平打ち」には、「内甲丸」「平甲丸」といった種類もあります。
普通の甲丸リングとどこが違うのか、そもそも指輪の腕の形状って?と悩んだ経験もあるのでは?

今回はそんなリングの名前をわかりやすくお伝えする記事をお届け。
リングの名前を形状・デザイン・種類の3つに分けてご紹介します。

腕の形状ごとに異なるリングの名前

まずはの種類から。
リング(指輪)で「腕」とはパーツの一部であり、輪っかになった部分を指します。
参考記事:指輪のパーツ(各部)の名称を解説。よく聞く「ベゼル」の意味とは?

この「腕」を切断した場合の切り口の形ごとに名前があり、腕の断面は基本的に5種類に分けられます。

甲丸

リングの断面がかまぼこ状「甲丸(こうまる)」
最も多くみられるリング腕の種類のひとつで、婚約指輪や結婚指輪の定番でもあります。

表面にカーブがあるリングは「甲丸」、裏側にカーブがあるリングは「内甲丸」、両方にカーブがあるリングは「両甲丸(または丸)」と呼ばれます。

「内甲丸」と「両甲丸」は内側のカーブがあるため指通りが滑らかで、着脱もスムーズ。
また、リングをつけた跡がつきにくい形状です。

平打ち

リングの断面が長方形「平打ち」
シャープで直線的な輝きが特徴であり、幅広リングの多くに採用されています。

幅が広くなればなるほど、しっかりと内側の角を丸くする加工をしているリングや、平打ちリングでも「内甲丸」を選ぶと圧迫感も少なくおすすめ

平甲丸

リング表面が「甲丸」、内側が「平打ち」「平甲丸」
表面の角を少し落としただけで平らな面もあり、同じ幅の「甲丸」と比べて視覚的に幅が広く見えます。

「甲丸」よりも彫りなどの加工が施しやすく、「平打ち」よりも柔らかい印象を与える形状です。

剣腕

リングの断面が三角「剣腕」
リング幅の中央に山があり、表面にふたつの面を有する形状です。

シャープでエッジの効いたデザインが多く、個性的な印象を与えるリング。

しのぎ腕

「平打ち」の表面に面をふたつ加えた「しのぎ腕」
リング表面からみて平らな面が三つあり、名前の由来は日本刀の刃と峰の間の膨らんだ部分「鎬(しのぎ)」の形状から

腕のデザインごとに異なるリングの名前

腕の断面によって、5つの種類に分けられるリングの名前。
次は腕のデザインに注目してみましょう。

一本腕

ストレートとも呼ばれる、リングの腕が一本「一本腕」
石がひとつ留められたソリテール・リングで、石部分に向かって幅が細くなる種類は「しぼり腕」と呼ばれ、石を強調する腕のデザインです。

V字腕

その名の通り、正面から見たリングの形状が由来となった「V字リング」
指をすっきり長く見せる効果もあり、深い切れ込みはシャープに、浅い緩やかな切れ込みはエレガントな印象を与えます。

抱き合わせ腕

まるで宝石を抱きかかえているような印象を与える「抱き合わせ腕」
正面から見てリングの内側に向かって腕が緩やかにカーブ、ソリテール・リングにも多く採用されています。

ひねり腕

リング腕にひねりを加えた「ひねり腕」
「抱き合わせ腕」とは捻りの方向が異なり、正面から見て外側に向かって腕がカーブしています。

割腕

リングの中央部分に隙間がある「割腕」
幅が広いリングの見た目の圧迫感も抑えられ、軽やかな印象を与えます。

チェーン・リング

リング腕に喜平や幅広のチェーンを採用した「チェーン・リング」
上記のリングたちと比べて腕自体に動きがあります。

近年ではボール・チェーンなどの華奢なチェーンを採用するブランドも増えています。

リングのデザインごとに異なるリングの名称

腕の形状・デザインの次は、リング自体のデザイン。
ここでは意外と知らないデザインごとの名前や由来をご紹介します。

エタニティ・リング

宝石がリング全周に留められた「エタニティ・リング」
基本的には同じ大きさ、同じカットの宝石が留められます。

ブライダル・リングやアニバーサリー・リングとしても人気が高く、「永遠」を表すエタニティが由来
半周のみは「ハーフ・エタニティ」、それに対して全周は「フル・エタニティ」と呼ばれます。

ソリテール・リング

リング中央に一粒の宝石を留めた「ソリテール・リング」
「ソリテール」とは一個石だけのリングを表すフランス語であり、英語では「ソリテア」。

一般的に「ソリテール・リング」が指すのは宝石がダイヤモンドで、爪は立爪のデザイン。

サイド・ストーン

中石のサイドにメレを留めた「サイド・ストーン」
サイドのメレは脇石とも呼ばれ、ラウンドにバゲット、ペアシェイプなどさまざまな形の宝石が留められます。

サイドだけでなく、中石の全周を覆うようにメレを留めたデザインは「取り巻き」と呼ばれ、とても華やか。

コンビ・リング

1本のリングに2種類以上の地金を使用する「コンビ・リング」
じつは和製英語であり、ゴールドとプラチナの組み合わせが一般的です。

見た目の印象はもちろん、つけ心地も重要なリング。
リングの形状やデザインによって異なる名称を知っておくだけで、選べるリングの幅も違ってきます。

長く付き合っていこうというリングを選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

POINT

  • リングは形状・デザインごとに異なる名前がある
  • リング腕の形状は、見た目だけでなく着け心地にも影響
  • あなたの指を美しく魅せてくれる形状・デザインのリングを選んで

リングの意味や名前の由来についてもっと知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

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