装いに深みをもたせたい秋。
さまざまな色で秋を演出できますが、カラージュエリーでより一層秋を堪能してみてはいかがでしょう。
指先や耳もとに添える色石の輝きは、季節感を添えるのと同時に個性も映し出します。
今回は、カラージュエリーの魅力について。
カラージュエリーの魅力を引き出したジュエリーブランド・ブルガリの功績をおさらいしながら、
2025-26AWのトレンドに合わせた、秋のカラージュエリーコーディネートをご紹介します。
カラージュエリーの魅力。自由に纏うときめき
カラージュエリーには大きく分けて二つのタイプがあります。
ひとつは、ガラス質の釉薬で金属に色をのせるエナメルなど、素材そのものが色づいているジュエリー。
もうひとつは、サファイアやトパーズ、アメシストなど色石を主役にしたジュエリーです。
どちらも「カラージュエリー」ですが、今回は色石に焦点を当ててご紹介します。
カラージュエリーの魅力は、服では取り入れにくい色をさりげなく楽しめることです。
たとえば、ビビッドなグリーンやパープル、オレンジなど、洋服で挑戦するには少し勇気のいるカラーも、ジュエリーで取り入れれば洗練されたアクセントに。
また、普段身につけないカラーにも気軽にチャレンジできる自由さも魅力です。
小さな面積で視線を引くため、パーソナルカラーを気にすることなく、自分の好きな色を取り入れやすいのが特徴。
「似合う色」に縛られず、「ときめく色」で自分を彩る。
それこそが、カラージュエリーが人の心を惹きつける最大の理由です。
そして、この「色をまとう自由」を誰もが楽しめるものへと昇華させたのが、他ならぬ「ブルガリ(BVLGARI)」でした。
この投稿をInstagramで見る
色石を「高貴な色彩」へと昇華させたブルガリ
1950〜60年代、ブルガリはそれまでのダイヤモンド偏重の価値観に対し、色彩を中心に据えるハイジュエリーの新しい表現を打ち立て始めました。
特に「カラー・レボリューション (Colour Revolution)」と呼ばれる時期には、イエローゴールドを基調とし、ルベライト・トルマリン、ペリドットなど豊かな色味を持つ多彩な宝石を組み合わせるといった大胆な配色をみせるように。
また、ブルガリはカボションカットを色石に採用する手法を積極的に取り入れました。
従来、カボションカットは「宝石価値の低い石」に用いられることが多かったにも関わらず、ブルガリはこれを「色の魅力を引き出す表現法」として昇華。
ブルガリは石の希少性だけなく、色彩と配色、石同士・地金との調和に重点を置く美意識を提示し、ジュエリー業界における色使いの可能性を拡張したのです。
これは、今日の多彩なカラージュエリーデザインの基盤にもなっています。
この投稿をInstagramで見る
トレンドと色石ジュエリー。おすすめコーデ3選
2025-26年秋冬のファッションでは、まさにブルガリが築いた「色彩の自由」を楽しむ流れが見られます。
ここで、2025-26年秋冬シーズンのおもなトレンドキーワードをおさらい。
- デザイン:クラシックなデザインながらも存在感を放つアイテムに注目
- カラー:ブラウン、キャメル、モカなどのブラウントーン
- フォルム:ひだやドレープといった構築的な形状や、レイヤードスタイルで装飾性をプラス
色石の魅力を装いに溶け込ませることで、こうしたトレンドの色調を一層引き立てることができます。
これらを踏まえたコーディネートを3つご紹介します。
レッド系アウター・トップス × 「ガーネット」ピアス
ブラウンのほか、鮮やかなレッドやバーガンディも多く登場する今シーズン。
アウターやトップスに取り入れる動きが活発です。
ジュエリーで取り入れるなら、同色系であるガーネットの1粒ピアスを。
深紅の光が、赤の布地に溶け込みつつ上品なアクセントに。
ブラウン・キャメル系コート× 「シトリン」リング
ブラウンやキャメルは、2025-26AWのトレンドカラー。
モカやキャメル系のコート、コーデュロイ素材を楽しむならシトリンがおすすめ。
ブラウンのトーンに、少し明るさを添えるシトリン。
コントラストを添えることで、単調になりがちなブラウン系コーデにもメリハリが出ます。
カラフルレザー× 「ペリドット」ネックレス
「カラフルレザー」もトレンドキーワードとして挙がっています。
ブラウンなどの定番色のほか、グリーンやレッドなどの色付きレザーがアクセントとして今シーズンのランウェイに登場。
バッグやパンツなどでカラーレザーを取り入れるなら、濡れたような艶が美しいペリドットを。
レザーの艶と、オリーブオイルのような石の輝きが好バランス。
レザーの強さを緩和する柔和な色石で今年の秋を楽しんで。
カラージュエリーは、身につける人の内面を「色」で表現することができます。
ブルガリが色をクリエイティビティやDNAの核として提示したように、時代を超えて今も私たちのファッションの中に息づいています。
その世界観を直接感じられる特別な展示が、国立新美術館で開催。
「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展(国立新美術館/東京)
会期:2025年9月17日[水] ~ 2025年12月15日[月]
ローマ発のエレガンスと革新を象徴する名作の数々をぜひ堪能してみてくださいね。
この投稿をInstagramで見る
POINT
- ブルガリが築いた色彩の自由は、今日のカラージュエリーの多彩な感性に息づいてい
- 2025-26AWは素材と色を重ねることで深みを生むコーデがトレンド
- トレンドを意識しながらときめく色を選ぶことで、秋の装いがより自分らしく
あわせて読みたい:芸術の秋到来!この秋から開催される魅力的な展示を集めました!
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます

大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。