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フェアアイルとは?柄ニットの名前と意味、ノルディック柄との違い

ダークな色のアウターが多くなりがちな秋冬、パッと鮮やかな柄のニットを着るとなんだか楽しい気持ちになりますよね。

柄ニットにはいろいろな種類がありますが、いずれも歴史や人々の暮らし、文化などと深く関わっています。

今回は、そんな柄ニットについて、種類や発祥の国、歴史などを紹介し、よく似ていると言われる「フェアアイル」と「ノルディック」の違いも解説します。

「フェアアイル」とはどんな柄?歴史や由来

「フェアアイル(Fair Isle)」は、英国スコットランドの北東の海に浮かぶシェットランド諸島・フェア島が発祥のニットの柄の名前です。

アイル(Isle)はアイランド、つまり島を意味します。

北海に位置するフェア島には漁師が多く、冬には冷たい海風から身を守るため、シェットランド諸島特産の羊(シェットランドシープ)の毛で編んだセーターを身につけていました。

その編み柄がフェアアイルで、首もとから胸にかけて何段にも幾何学模様が広がり、そのようすから日本語では「求心柄」とも呼ばれます。

伝統的な柄はなんと400年も前から編み継がれているのだとか。

この模様の由来には色々な説があり、それぞれの漁師の家の家紋という説や、当時シェットランド諸島で難破したスペイン艦隊から伝わったという説もあり、たしかにその柄にはスペインに伝わる「グラナダの星」や「百合の紋章」「スペイン十字架」といったモチーフが見られるそう。

1920年代に、イギリス皇太子だったウィンザー公が、ゴルフウェアとしてファアイル柄を好んで着たことで人気が広がり、フェア島の経済も発展したと言われています。

どこかかわいくノスタルジックな柄のフェアアイルセーターは、日本でも「子供の頃に着ていた」という人も多いのではないでしょうか。

現在では、よりモダンなモチーフや、首回りだけでなく全体に柄のあるものベストやカーディガンなど、さまざまなデザインのフェアアイルニットが出回っています。

 



英国風の雰囲気を生かして、かっちりとしたジャケットとシャツでクラシカルに着るのはもちろん、もともとは労働用の服だったため、カットソーやレザーブルゾンに重ねたり、デニムなどのカジュアルなアイテムともよく合います。

「ノルディック」柄ニットとは

フェアアイル柄とよく似たニットの柄に「ノルディック」柄があります。

スキーなどでもよく聞くノルディック(Nordic)は、「ノルウェーの、北欧風の」という意味。

フェアアイルニットの産地であるシェットランド諸島と北欧のノルウェーとは地図で見るとすぐ近くで、国は違えど気候や人々の生活様式も似ていたのでしょう。

フェアアイル柄との違いは、そこに編み込まれているモチーフです。

ノルディック柄のニットには、雪の結晶やトナカイ・もみの木といった自然物が多く見られ、クリスマスのような雰囲気を感じさせます。


とはいえ、ノルディック柄も、古典的なものだけでなく斬新なデザインも増えているよう。

ほっこりした着こなしが苦手な人も、こういったシャープなデザインを選ぶと通勤などにもスマートに着こなせます。

そのほかの柄ニット、種類いろいろ

秋冬のファッションを彩る柄ニットには、他にもいろいろな種類があります。

スコットランド発祥の「アーガイル」

 菱形のモチーフと細いラインを組み合わせた「アーガイル」ニットは、1400年代にスコットランドのアーガイル・シャー地方で生まれ、トラディショナルファッションの代表ブランドともいえるブルックス・ブラザーズがNYで売り出したことで一躍人気になったと言われています。

学生時代に、ベストやソックスなどで身につけていた人も多いのでは。

フランスで発明された「ジャカード」

2022年秋冬シーズンに流行の「ジャカード」(ジャガードとも)のニットは、19世紀のフランスで発明された技術をもとにしていて、厚みのある複雑な柄を表現できるのが特徴です。

フェアアイルやノルディック柄が素朴で昔風の雰囲気なのに比べ、どこか華やかで都会的なイメージがありますね。

▼ジャカードの歴史や種類について詳しくはこちらの記事もどうぞ。

ジャカードとジャガード、どっちが正解?「ジャカードとは」を解説!

アイルランド生まれの「アラン」


カラーは単色ですが、多彩な編み込み模様で柄を表現しているのが、アイルランドのアラン諸島の漁師たちが着ていた「アラン編み」のニットです。

その由来から別名「フィッシャーマンニット」とも。

2022年のトレンドであるジレ・ベストにも、アラン柄のアイテムがたくさん見られます。

▼ジレ・ベストのおすすめの着こなしはこちらの記事で!

この秋冬、ジレ・ベストで楽しむ防寒レイヤード。40代・50代が取り入れるべきアイテムは

POINT

  • 「フェアアイル」は英国のフェア島で生まれた幾何学模様の求心柄
  • 「ノルディック」は北欧ノルウェーでニットに使われていた自然モチーフの柄
  • アーガイル、ジャカード、アランなど、ニットの柄には人々の暮らしと歴史が結びついている