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【例文付き】パートの志望動機の書き方【─大人の美しい文章術:01─】

大人女性の美しさは見た目だけでなく、ことばにも現れます。

さまざまなシーンで、あなたの本当の美しさを伝える文章の書き方のヒントをお届けする「大人の美しい文章術」

第1回は、40代以降で久しぶりにパートなどに応募するときに書く「志望動機」の書き方や、面接で「どう答えればいい?」と迷ってしまう時の美しい答え方を例文付きで紹介します。

「書くことがない」「お金のため」…本当にそうですか?

志望動機は心の奥底に

共働きの世帯が過半数を超えてはや20年以上が経ちますが、現在アラフォー・40代以上の女性の中には結婚や出産でしばらく会社勤めを離れていた人も少なくありません。

お子さんの手が離れてきたのをきっかけにパートを始めようと考えている方もいらっしゃるでしょう。

ただ、履歴書やエントリーシートに書く志望動機のところで、はたと手が止まってしまうという声もよく聞きます。

その理由は「志望動機なんて特にないんだけど……」「ただ収入を得たいだけ」「家から近いからなんて、志望動機にならないよね?」というもの。

でも、それって本当ですか?

あなたが働こうと思ったとき、この会社やお店を受けようと思ったときに、今は言葉になっていないけれど、本当はなにか決め手があったのかもしれません。

それを言葉にしていくことで、きっとあなたの思いが伝わる志望動機が書けるはず。

履歴書に書く「志望動機」の見つけかた

その「職場」に惹かれるポイントをふくらませてみよう

「パートの志望動機なんて、お金を稼ぐためしかないよね」という会話をよく聞きます。

実は現場のパートの人たちは非常に優秀で、さまざまなことをこなしてくれるため、日本のDX(人の手に頼っていた仕事をITを利用して機械化・自動化すること)が進まないといわれるほど。

しかし正社員のような裁量や権限が与えられているわけではなく、収入に見合った範囲の仕事をせざるを得ないので、パートの面接で「入社して○○に取り組みたい」「専門知識を生かして活躍したい」といった志望動機を挙げるのはなかなか難しいものです。

しかし、例えばスーパーAに応募したとき、同じく募集中だったBを選ばなかったのはなぜでしょうか?

「近いから」であれば、あなたはこんな風に考えたのではないでしょうか。

「ギリギリでも遅刻しないし、早く帰ってごはんの用意ができるから…」

であれば、こんな風に表現できます。

例文)「自宅が近く時間に余裕を持って到着し業務に備えられます。家事との両立もしやすいため長く働けると考え志望いたしました

これなら家族への想いや「遅刻せず早めに来てくれて、長期間安定して働いてくれそう」ということがきれいに伝わってきますね。

その「職種」を選んだ気持ちを掘り下げてみよう

「理由なんて特にない」と言いつつも、数多い業種から飲食店を選んだとすれば、「なぜ事務や工場ではなく飲食店がいいんだろう?」と考えてみてください。

「黙々と作業するのは飽きちゃうし、ずっと主婦で資格もないから…」

であれば、心の中の思いをこんな文章にしてみてはどうでしょう。

例文)「子育ての経験から、相手の気持ちや健康を考え、おいしく楽しく食べてもらうというスキルを身につけました。人の喜ぶ顔を見るのが好きですので、仕事を通じてより多くのお客様に笑顔になってほしいと願い志望しました

これならあなたの明るい人柄やサービス精神が伝わり、ぜひお店で働いてほしいと思われるはず。

ネガティブな話題では自分の変化を伝えて

転職の場合の「退職理由」表現

他のパート先からの転職という人は、退職理由を聞かれたらどうしよう……と思うかもしれません。

それがネガティブに捉えられそうな内容の場合、どう言えばいいのか迷ってしまいますよね。

嘘をつくのも気が進まない、でも正直に「体調を崩して」「仕事が面白くなくて」と言うだけでは不採用になってしまいそう。

そんな場合でも、その経験を通じてなにか学んだことや自分自身の変化があるはずなので、そこを中心に伝えるといいですね。

例文)「前職では慣れない仕事と家事を完璧にやろうとしすぎて無理をしたために体調を崩してしまい、いったん退職しました。しかし、その経験から、すべてを抱え込まず家族にも理解や協力をじょうずに求められるようになりましたので、今後は安定して働ける自信があります」

例文)「前の職場は分業制でしたので、自分の担当業務はスピーディに確実に行うことができていました。しかし、パートであってもより幅広い業務を経験し成長したいと感じるようになりましたので、貴店に応募いたしました」

POINT

  • 「収入」「通いやすさ」の奥にある、自分の思いを探してみよう
  • 「なぜ他ではなくここで働きたいのか」がポイント
  • ネガティブな経験から得た自分の変化や成長を見直そう

環境が変わるときは自分の本当の気持ちを見つめ直すチャンスでもあります。

「志望動機なんて別にない」という人でも、よく向き合ってみると、自分自身や家族への想いがあってこそ「ここで働きたい」と思っているもの。

それを言葉にすることで、美しい文章は自然と生まれてくるはずですよ。

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