コラム

アカデミー賞松たか子さんに賞賛…40代から気軽に楽しむ「着物」のすすめ

2020年のアカデミー賞授賞式に登場した女優の松たか子さん、その着物姿に「品がある」「美しい」と世界中から賞賛が集まったのを覚えている人も多いと思います。

今のアラフォー・アラフィフでは、日常的に着物を着こなす人は少数派。

「素敵だけど、私は着物なんてとても…」

と思ってしまうかもしれませんが、あまり難しく考えすぎずに取り入れてみると、ぐっとおしゃれの幅が広がるかもしれません。

今回は、ゼロからでも楽しめる着物の基本的な知識と、大人女性向けの取り入れ方のヒントをお届けします。

「和」に注目が集まっている

2019年、時代が令和になったことをきっかけに、世の中では「和=日本らしさ」が注目される流れ。

特に若い世代では、アニメ『鬼滅の刃』や『刀剣乱舞』などの人気が高く、伝統的な日本文化が逆に新鮮に映っているようです。

以下の記事でも、世の中の「温故知新」(古いものを見直すこと)や新旧の融合である「レトロモダン」「和モダン」志向を紹介しています。

新元号は「令和」!令和時代のトレンドを探る5つのキーワードとは?

着物はサスティナブルな装い

2020年のアカデミー賞のテーマの1つとして挙げられたのが「サスティナブル」です。

サスティナブルは日本語で「持続可能な」という意味。

使い捨てではなく、長く使えるものや再利用できるものを授賞式の衣装に取り入れていこうと呼びかけられ、数十年前のドレスや同じスーツを着回すセレブたちが注目を集めました。

しかし着物はもともとトレンドの影響を受けにくく丈の調節もきくため、何世代にも渡って受け継ぐことができ、サスティナブルな装いそのものといえます。

【2020-2021AWトレンド】サステナブル・ファッションの時代が本格化⁈

知識ゼロでも楽しめる?40代・アラフォーの着物入門

現代のアラフォー・アラフィフ女性では、これまで成人式と結婚式の貸衣装くらいしか着物を着る機会がなかった人も多いと思います。

着物の敷居が高く感じられる理由の1つとして「」があります。

どのような場面でどんな種類の着物を着るのがふさわしいのか、大きく分けると次の4段階になります。

  1. 第一礼装… 黒留袖/打掛/大振袖/喪服 など
  2. 略礼装着… 色留袖/訪問着/振袖/色無地/江戸小紋 など
  3. 外出着… 付け下げ/小紋/絞り/お召/更紗 など
  4. 街着(普段着)… 絣/黄八丈/化繊/ウール/銘仙/木綿/浴衣/麻 など

(※地方などにより多少異なります)

上記に加え、色柄は染めたものの方が織りよりも格上で、さらに帯では織りの柄が格が高いなどの決まりが存在します。

アカデミー賞での松たか子さんの着物は、上記のうちの「訪問着」で、総絞りに手刺繍という控えめでありつつ格の高い着こなしが高く評価されました。

こう見ると、「やっぱり私には…」と尻込みしてしまいそう(笑)。

しかし考えようによっては、洋服よりもルールがはっきりしているため、手元の着物がどこに分類されるかさえ分かっていれば、むしろ失敗がないのがいいところです。

購入する場合はプロであるお店の人に確認できますし、母や祖母から引き継いだ着物が何にあたるか分からなければ、丈やゆき(袖の長さ)合わせやメンテナンスを兼ねて呉服屋さんに持ち込めば教えてもらえるでしょう。

大人女性が着物を日常に取り入れるなら…おすすめコーデ

最初こそとっつきにくい印象の着物・和装ですが、たとえばお花見や初詣、観劇からランチまで、洋服のように着物を着てお出かけできればとても素敵ですよね。

普段着感覚で着られるのは「小紋」「」など、全体に細かい柄が入ったもの。

綿やポリエステル素材の家で洗濯できる着物も人気があり、急な雨などで汚れるのを心配せずに着られます。

お花やお茶などに関しては、お稽古では特に決まりはないですが、正式なお茶会や発表会では、背中に一つ紋の入った色無地などの決まりがあることが多いので、習っている先生に前もって教えていただくのがいいですね。

POINT

  • 時代の空気は「和」を感じるものが人気
  • 着物は世界基準でも「サスティナブル」
  • 着物は「格」さえ知っていれば安心して着られる
  • 普段着には「小紋」などで気軽にお出かけを楽しんで