「この商品は14Kgfです」
アクセサリーを購入する際、見たり聞いたりしたことがある言葉ではないでしょうか。
色もゴールドだし「K14」とあるけれど、「GF」という文字もついている。
さらには「GP」というものもあり、そもそも金(ゴールド)なの?「K14」とは違うの?と首を傾げてしまいますよね。
今回は14Kgfについて。
「GF」の意味やゴールドフィルド(GF)と金メッキ(GP)の違いをお届けします。
そもそも「めっき」って何?なぜめっきをするの?
14Kgfとは金(ゴールド)ではなく、真鍮(ブラス)に金張りをしたもの。
GPなら真鍮×金めっきです。
金メッキや14Kgfと聞くと、「外観を金に見せるもの」というイメージが先行し、あまり良い印象を持たない方もいらっしゃいますよね。
しかし、アクセサリーの「めっき」は外観を変えるだけが目的ではありません。
めっきには変色・傷を防ぐ効果もある
コーティング、プレーティングとも呼ばれるめっき。
日本語では「鍍金(ときん)」と表され、ゴールド以外にも用いられます。
シルバーやプラチナには「ロジウム」という貴金属をコーティングするのが一般的。
差異はあるものの白い貴金属なので、色を変えるというよりはシルバーの変色しやすさを抑えたり、プラチナの表面に硬さを加えるために用いられるのです。
14Kgf(ゴールドフィルド)と金メッキの違いとは
ジュエリーやアクセサリーを長く使用するうえでも欠かせない存在である「めっき」。
金メッキも同様なのですが、14Kgfはただの金メッキではありません。
ゴールドフィルドと金メッキは「厚さ」が違う
14Kgfは、芯の部分は真鍮で外側の金属がK14(じゅうよんきん)。
「金張り」とも呼ばれ、総重量の1/20のK14を熱と圧力を使って圧着しています。
つまり、金メッキ(GP)よりもゴールドフィルド(GF)の方が「ゴールド」の部分がはるかに厚いのです。
加工方法にも違いがあります。
電気分解で金属に付着させる金メッキ(GP)に対し、ゴールドフィルド(GF)のワイヤーは先にK14の筒を作り、空洞部分に真鍮を流し込んでいるのです。
ほかにもK12やK18のゴールドフィルドがありますが、日本では14Kgfが主流です。
ゴールドフィルドは絶対剥がれない?取扱上の注意は?
14Kgfは欧米では主流で、耐久性にも優れていると人気の素材です。
しかし、K10やK14ソリッド(※)と違い、別種の金属を圧着しているのがゴールドフィルド。
ゴールド部分が厚いといっても時には剥がれてしまったり、変色も起きてしまいます。
あくまで金メッキと比べて耐久性が高いということ。
ソリッドとは違うことを留意しておきましょう。
※ソリッド(solid)…「中まで同じ物質」という意味で、金張りやめっきではないことを表す時に使われます。K14ソリッドなら、14金という意味です。
金メッキよりもゴールドフィルドがいい!と言われることもあります。
しかし、めっきは基本再コーティングが可能。
それに対してゴールドフィルドはその部位ごと取り替える必要があります。
そのため、どれが一番と決めることはできません。
金メッキもゴールドフィルドも、それぞれプラスとマイナスの面があります。
ジュエリー・アクセサリーごとに上手な付き合い方をみつけてみましょう。
POINT
- 金メッキ(GP)と比べ、ゴールドフィルド(GF)はゴールド部分が厚い
- 14Kgfは海外でもポピュラーな素材であり、リーズナブルにK14の輝きを楽しめる
- ゴールドフィルド(GF)でも剥がれたり、変色が起こることもある
Revised Edition 2019 03©hikarimonogatari.com
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大学卒業後、ジュエリー専門学校にてメイキングとデザインを学ぶ。ジュエリーセレクトショップ・百貨店にて販売員経験あり。あなたとジュエリー・アクセサリーとの距離を縮める記事をお届けします。