真夏の葬儀や法要では、喪服のマナーを守りながら、暑さにも対応しなければなりませんよね。
悲しみの気持ちを抱えながら、会場へ向かう途中で汗だくになったり、屋外と冷房の効いた室内との温度差に疲れたり…心身ともにぐったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
株式会社東京ソワールが2026年7月に発表した「夏の喪服に関する実態調査」からも、夏の葬儀では多くの女性が暑さや服装選びに悩んでいることがわかりました。
この記事では、調査から見えてきた夏の喪服をめぐる5つの課題を紹介するとともに、大人女性が夏の喪服を選ぶ際に確認したい素材・デザイン・着心地などについて解説します。
▼葬儀の基本的な服装マナーや、髪型、アクセサリー・バッグ・靴などについては、こちらの記事でくわしく紹介しています。
東京ソワールの調査から見えた、夏の喪服の5つの課題
今回取り上げるのは、レディースフォーマルウェアを展開する株式会社東京ソワールが、全国の20〜70代の女性285名を対象に行った調査です。
夏の葬儀や法要で感じた負担、ほかの参列者の服装で気になったこと、夏の喪服に求める機能などが調べられています。
出典:株式会社東京ソワール「夏の喪服に関する実態調査」
- 調査対象:東京ソワールECメルマガ会員
- 有効回答数:全国の20〜70代女性285名
- 調査期間:2026年7月2日〜7日
- 調査方法:インターネット調査
1.約4割が、式が始まる前から汗だくになり疲弊
夏の葬儀や法要で感じたストレスとして、最も多かったのが「移動中に汗だくになり、式が始まる前に疲弊した」という回答でした。38.2%もの方が経験している、夏ならではの切実な問題ですよね。
ほかにも、
- 屋外と室内の温度差で体調を崩しそうになった……25.6%
- 着替える場所がなく、喪服を着たまま移動するのが暑かった……23.9%
- 暑さで葬儀や法要に集中できなかった……23.2%
- ジャケットが堅苦しく、疲れた……17.2%
といった声が挙がっています。
「特にストレスや不満を感じたことはない」と回答した人は16.5%にとどまり、多くの女性が夏の葬儀で何らかの負担を感じていました。
夏の喪服を考えるときは、葬儀の場所だけでなく、自宅から駅、駅から会場までの移動も含めて考える必要があります。
2.暑さは喪服の「見え方」にも影響する
調査では、約6割の人が、夏の葬儀や法要でほかの参列者の服装について何らかの点が気になったと回答しています。
具体的には、
- サイズが合っていないように感じた……16.8%
- 汗で生地が肌に張り付いていた……16.1%
- 胸元や腕などの露出がフォーマルにふさわしくないと感じた……13.0%
- 背中や脇の汗ジミが目立っていた……12.3%
- 黒い服でも、カジュアルな装いが浮いて見えた……10.9%
などです。
暑さ対策を優先するあまり、肌の露出が多くなったり、カジュアルな黒い服で代用したりすると、弔事の場では落ち着かない印象になることがあります。
また、身体に合わない喪服や通気性の低い生地を無理に着ると、汗による張り付きやシワが目立ちやすいことも。
夏の喪服には、涼しさだけでなく、汗をかいても外見を整えやすい素材やデザインが求められているのです。
3.親族中心の法要でも約6割が服装選びに迷っている
家族や親族を中心とした法要で、服装選びに迷った経験がある人は61.8%でした。
迷った内容として最も多かったのは、「家族・親族だけなので、どこまで正式な服装が必要か」というものです。
そのほかにも、
- 一般的な葬儀と同じ喪服を着るべきか?
- 暑さ対策とマナーのどちらを優先するか?
- ジャケットを着るべきか?
といった迷いが挙げられています。
家族葬や小規模な法要が増えたことで、服装の判断がかえって難しくなっている面もありそうです。
「身内だけだから、黒い普段着でよい」と決め込まず、法要の種類や自分の立場を考え、故人への哀悼の意やご遺族への敬意も伝わる装いを選びましょう。判断に迷う場合は、喪主(遺族の代表者)や近しい親族、葬儀社にたずねるとより確実です。
4.夏の喪服に求める第1位は「通気性・涼しさ」
夏の喪服に必要だと思うことを尋ねた結果は、次の通りです。
- 1位 通気性・涼しさ……80.0%
- 2位 自宅で洗える手入れのしやすさ……68.8%
- 3位 きちんとした見た目・黒の深さ……51.6%
- 4位 体型変化に対応できる、締め付けの少ない着心地……36.1%
- 5位 長時間座ってもシワになりにくいこと……30.2%
快適さが最も重視されていますが、3位には「きちんとした見た目・黒の深さ」が入っています。
つまり、多くの女性が求めているのは、単に薄くて涼しい黒い服ではありません。
夏の暑さを軽減しながら、弔事の場にふさわしい見た目を保てるブラックフォーマルが求められています。
【インフォグラフィック】夏の喪服、みんな何に困っている?

調査結果を見ると、「暑さ対策」と「きちんとした装い」の両立に、多くの女性が悩んでいることがわかります。
では実際に、夏用の喪服はどのくらい準備されているのでしょうか。
5.約4割が夏用喪服を持っていない
調査では、夏用喪服を持っている人は54.7%でした。一方、持っていない人は39.3%にのぼります。
また、夏用喪服は事前に準備すべきだと思いながら、まだ準備できていない人も23.9%いました。
実際に夏の葬儀や法要で着用した服は、「オールシーズン用の喪服」が45.3%、「夏用の喪服」が43.9%と、ほぼ同程度です。
真夏でもオールシーズン用の喪服で対応している人が少なくないことが、暑さによる負担の一因になっているのかもしれません。
喪服は突然必要になることが多いもの。
訃報を受けてからあわてて探すのは心理的にも大変です。時間に余裕があるときに手持ちの喪服を試着し、サイズ感や生地感を確認しておくことが大切です。
大人の女性が夏の喪服を選ぶ5つのポイント

東京ソワール調査結果から見えてきたニーズを踏まえ、編集部の視点で「夏用ブラックフォーマルを選ぶ際に確認したいポイント」を5つあげてみました。
1.通気性がよく、透けにくい素材を選ぶ
夏用の喪服は、基本的に薄手で通気性に配慮された素材が採用されています。
ただし、薄すぎる生地は光の加減で透けたり、体の線を拾ったりする場合もありますよね。
商品を選ぶ際は、次の点を確認してみましょう。
- 夏用(または盛夏用)と表示されているか
- 通気性のよい生地が使われているか
- 袖だけが透ける素材で身頃は透けにくい、スカート部分は裏地付きなど「透け」防止の工夫があるか
- 汗をかいても肌に張り付きにくいか
フォーマルウェア業界では、「フォーマルブラック」と呼ばれる深い黒を保ちながら、軽さや通気性も備えた素材が開発されています。素材名だけで判断せず、商品の機能表示や裏地の仕様まで確認するのがおすすめです。
2.ワンピース一枚でもきちんと見えるデザインを選ぶ
フォーマルスーツであっても、移動中や待ち時間にジャケットを脱ぐことも考えられます。
そのため、夏の喪服は、ワンピースだけになっても弔事の場にふさわしく見えるデザインが便利です。
五分袖や七分袖など、二の腕や脇が露出しすぎない袖丈で、胸元が大きく開いていないものを選びましょう。
一枚のワンピースでありながら、ジャケットを羽織っているように見える「アンサンブル風ワンピース」もあります。きちんとした印象を保ちながら、夏でも着やすいデザインです。
また意外と大切なのがファスナーの位置。前開きのワンピースのほうが、腕を後ろに回さず着脱できるため、年齢を重ねるほど楽に感じられるでしょう。
3.体の線を拾いすぎない、適度なゆとりを確認する
喪服は、立っている姿だけでなく、長時間座ったときや、お辞儀をしたときの着心地も大切です。
試着するときは、
- 肩や背中を動かしやすいか
- 腕を前に伸ばしても窮屈でないか
- 座ったときにお腹や腰まわりが苦しくないか
- 膝が出すぎない丈か
- 体の線や下着のラインを拾いすぎないか
を確認しましょう。
夏は汗で生地が肌に張り付きやすいため、ぴったりしたサイズよりも、適度なゆとりのあるシルエットが快適です。
数年前に購入した喪服は、デザインが古くなっていなくても、体型の変化によって着心地が変わっていることも。定期的に試着しておきましょう。
4.自宅で洗えるウォッシャブル仕様を選ぶ
汗をかきやすい夏は、自宅で洗えるウォッシャブル仕様が便利です。
一度の着用でも、襟元や脇、背中には汗や皮脂が付着します。すぐにお手入れできる喪服なら、汗ジミやニオイを残しにくく、次に着るときも安心です。
ただし「ウォッシャブル」と表示されていても、洗濯方法は商品によって異なるもの。
洗濯機が使えるのか、手洗いなのか、必ず洗濯表示で確認してください。洗濯ネットの使用、短時間の脱水、陰干しなど、メーカーが指定する方法に従いましょう。
5.移動中の暑さと、会場内の冷房の両方に備える
夏の葬儀では、屋外の猛暑だけでなく、冷房の効いた室内との温度差にもご注意を。
移動中はジャケットを脱ぎ、会場に入る前に身支度を整えるなど、無理のない範囲で調整しましょう。ジャケットや薄手の羽織りがあれば、式場内で冷えを感じたときにも対応できます。
吸湿性のあるインナー、汗取りパッド、予備の黒いストッキング、黒のタオルハンカチなども用意しておくと安心です。
▼喪服に合わせるアクセサリーやバッグ、靴、ストッキングの基本については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
→「お悔やみの日、喪服の髪型やアクセサリーは?大人女性の葬儀の服装マナー」
夏に選びたいブラックフォーマル3選
今回の調査では、「通気性」「洗えること」「きちんとした見た目」が重視されていましたね。
その条件を満たしやすい夏用ブラックフォーマルを編集部で選びました。
夏用のブラックフォーマルには、さまざまな選択肢があります。ここでは、オールシーズン用とは別に用意しておきたい、夏の暑さを軽減しながら弔事にふさわしい装いを保ちやすいワンピースを3点ご紹介します。
TOKYO SOIR(東京ソワール)|米沢織「小目紗」の涼しい夏用ワンピース
首元を上品に包む、控えめなスタンドカラーデザイン。アクセサリーをつけなくても、これ一枚で落ち着いた印象にまとまります。
着丈はやや長めで、着席したときにも膝がしっかり隠れる安心感があります。お辞儀をした際の後ろ姿まで美しく見えるよう、シルエットのバランスにも配慮されています。
夏にうれしいのは、米沢織の「小目紗」を使用していること。従来の夏用ジョーゼット素材と比べ、表地のみで約2.3倍、夏用のサップ裏地を重ねた状態でも約1.3倍空気を通しやすく、日本の蒸し暑い夏に適した素材です。
前開き仕様で着脱しやすく、自宅で洗えるのも実用的。身頃部分にはさらりとした肌触りの夏用裏地を使用しているため、汗ばむ季節にも快適に着られます。
パターンはミセス向けの「少しゆったり」。S・M・L・LLの4サイズ展開です。
価格:46,200円(税込・セール価格)
※価格は記事公開時点のものです。最新の価格・サイズ・在庫状況は各販売サイトでご確認ください。
TOKYO SOIR(東京ソワール)|洗えるリボン付き前開きロングワンピース
身体を締め付けない、ゆったりとしたオフボディのシルエット。それでいて、生地にきれいな落ち感があるため、すっきりとした印象で着られる夏用ワンピースです。
濃染加工を施した深い黒のシフォン素材は、軽やかでほどよい透け感があり、暑い季節にも重たく見えにくいのが魅力。前開き仕様なので、汗ばむ季節でも脱ぎ着がしやすく、自宅で洗えるウォッシャブル仕様も助かります。
着丈はふくらはぎ下まであるロング丈。露出を抑えた落ち着きのあるデザインで、喪主やご親族など、よりきちんとした装いが求められる立場でも選びやすい一着です。
付属のリボンベルトを使えば、ウエストを軽くマークすることもでき、体型や好みに合わせて印象を変えられます。
パターンはミセス向けの「少しゆったり」で、7号から17号までの幅広いサイズ展開です。
価格:26,180円(税込・セール価格)
※価格は記事公開時点のものです。最新の価格・サイズ・在庫状況は各販売サイトでご確認ください。
CARETTE (カレット) |ラッフルカラーのブラックフォーマルワンピース
薄手のシフォンジョーゼットで仕立てた、夏に着やすいブラックフォーマルワンピースです。
ボレロを羽織っているように見えるデザインで、一枚でもきちんとした印象に。ラッフルカラーは甘くなりすぎない分量に抑えられ、ウエストから自然に広がるフレアシルエットが、身体のラインをさりげなく整えて見せてくれます。
袖は肘が隠れる七分丈。胸元や腕の露出を抑えながら、真夏にも重たく見えにくいバランスです。濃染加工を施した薄手のシフォンジョーゼットは、透けすぎることなく、涼しげで上品な印象を与えます。
前ファスナー仕様で着脱しやすく、自宅で洗えるウォッシャブルタイプ。お手入れのしやすさも、汗をかく季節にはうれしいポイントです。
サイズは9号から13号まで。着丈はすっきりと見えるミドル丈です。
価格:13,200円(税込)
※価格は記事公開時点のものです。最新の価格・サイズ・在庫状況は各販売サイトでご確認ください。
夏の喪服についてよくある質問(FAQ)
Q.夏でも喪服のジャケットは必要ですか?
A.葬儀の形式や自分の立場によって異なりますが、迷う場合はジャケットを用意しておくと安心です。移動中は脱いで暑さを避け、会場に入る前に着用するなど、気温や体調に合わせて調整しましょう。
ワンピース一枚で着用する場合は、弔事用ブラックフォーマルとして作られた、露出の少ないデザインを選びましょう。
筆者が最近参列した夏の葬儀でも、ジャケットを着用せず、弔事用のワンピース一枚で参列している方が多く見られました。ただし、葬儀の形式や立場、地域によって考え方は異なります。
Q.夏の葬儀に半袖の喪服を着てもよいでしょうか?
A.肩や脇、胸元の露出が少なく、礼装として作られたデザインであれば、夏用の半袖や五分袖のワンピースが選ばれることもあります。
短すぎる袖やカジュアルに見えるデザインは避けましょう。ジャケットを用意するかどうかは、葬儀の形式や立場に応じて判断します。
Q.夏用喪服とオールシーズン用喪服の違いは何ですか?
A.主な違いは、生地の厚さ、通気性、裏地、袖丈などです。
夏用喪服は薄手で軽く、裏地を最小限にするなど、暑い時期の着用に配慮されています。オールシーズン用は幅広い季節に対応できますが、真夏には暑く感じることがあります。
Q.自宅で洗える喪服でも失礼になりませんか?
A.自宅で洗えるかどうかはお手入れ方法の違いであり、礼装として適切かどうかとは別の問題です。
ブラックフォーマルとして作られた、深い黒と露出を抑えたデザインの商品であれば、ウォッシャブル仕様でも弔事に着用できます。
Q.夏でもストッキングは履いたほうがいいですか?
A.夏の葬儀でも、基本的には黒の薄手ストッキングを着用すると安心です。
Q.黒いワンピースやスーツで喪服を代用できますか?
A.黒い服であっても、一般的なファッション用のワンピースやビジネススーツは、弔事用のブラックフォーマルとは黒の深さや素材、デザインが異なります。
急なお通夜など、状況によって略喪服が選ばれる場合もありますが、葬儀や告別式には弔事用のブラックフォーマルを準備しておくと安心です。
▼ブラックフォーマルと一般的な黒いスーツの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「お悔やみの日、喪服の髪型やアクセサリーは?大人女性の葬儀の服装マナー」
夏の喪服は、「涼しさ」と「敬意の伝わる装い」の両方を大切に

東京ソワールの調査から、夏の葬儀や法要で、多くの女性が暑さと服装マナーの両立に悩んでいることがわかりました。
夏用喪服を選ぶときは、通気性だけでなく、透けにくさ、黒の深さ、袖丈、体を締め付けないゆとり、自宅で洗えるかどうかも確認しましょう。
大切なのは、暑さや自分の体調に配慮しながら、故人やご遺族への敬意の伝わる装いを整えること。
喪服は突然必要になるものだからこそ、できれば時間に余裕があるときに手持ちの一着をあらためてチェックし、夏にも無理なく着られるか確認しておきたいですね。
筆者も夏用の喪服を新調しました
筆者も以前からアンサンブルタイプの喪服を持っていましたが、今年、ウォッシャブル仕様の夏用ワンピースを新たに購入しました。選んだのは、まさに今回調査をご紹介した東京ソワールの一着です。
その後すぐに着用する機会があり、暑い時期に無理なく着られる喪服をあらかじめ準備しておく大切さを実感しました。
今回の記事には、調査結果だけでなく、実際に筆者が夏の葬儀に参列して感じたことも反映しています。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
※葬儀や法要の服装は、宗教・宗派、地域、家族の考え方、自分の立場によって異なる場合があります。迷ったときは、喪主・施主や近しい親族、葬儀社などに確認してください。
この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます
マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。






