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さらさら涼しい「サッカー生地」とは?リップル・ワッフル・クレープなど夏素材の種類を解説

6月。温度も湿度も上がってくる季節を少しでもさらっと快適に過ごすため、洋服の素材選びは大事なポイントです。

今回は、夏の人気素材として知られ、2025年のトレンドでもある「サッカー生地」の特徴や人気アイテムを、他にも色々ある夏素材とともに解説します。

サッカー(しじら織/シアサッカー)生地とは

サッカー生地は正式な名称を「シアサッカー/sheersucker」といいます。

カタカナではスポーツ競技のサッカー(soccer)と同じですがつづりは異なり、インドのリネン(麻)織物が由来といわれています。

もともとの名称「شیر (shîr) and شکر (shakar)」を現代語に訳すと、なんと「ミルクと砂糖」なのだそう。

サッカー生地を近くで見ると、2種類の織り方が交互に配置されているのがわかりますよね。

これは日本で「しじら織り」と呼ばれる技法で、糸の張りの強さや織り方を変えて交互に織ることで独特の凸凹を生み出します。インドではこのシワのないなめらかな部分を「ミルク」、デコボコ部分を「砂糖(をまぶしたような)」と呼んでいたそう。可愛い呼び方ですね。

サッカー生地は、この凸凹が肌とのあいだにスキマを作り、暑い時期でも風通し良く涼しく過ごせます


コットン(綿)素材なので汗をかいても洗濯でき、アイロンもほとんどいらないことから夏にぴったりの素材で、洋服はもちろんパジャマやシーツなど、暑い時期のファブリックの定番になっています。

リップル・ワッフル・クレープ…さらっとした肌触りの夏素材いろいろ

サッカー生地のほかにも、暑い夏に清涼感をもたらしてくれる素材は、エアコンのなかった昔からさまざまな種類が発明されています。

リップル

サッカー生地が、糸の強さや織り方で細かい凸凹を作りだしているのに対し、平らな生地をアルカリ性薬品で収縮させてさまざまなシワを作り出した生地を「リップル(加工)」といいます。

サッカーは一方向のストライブ状のシワができますが、リップルはいろいろな柄に加工できるのが特徴。素材も綿に限らずさまざまな素材があります。

ワッフル

サッカー生地と似ている素材には「ワッフル生地」もあります。

大きな違いは凸凹がマス目状になっていること。

この格子状の柄はタテ糸と横糸をそれぞれ浮かせて織ることで作り出され、ふんわりと柔らかいため、インナーや子供服にも多用されます。

コットンのワッフルカットソーは、肌に貼り付かず吸水性が高いので、蒸し暑い時期にも快適。

ベーシックな着こなしをほどよくカジュアルダウンさせてくれるアイテムとしても人気です。

楊柳

サッカー生地が種類の異なるタテ糸を使って凸凹感を生み出すのに対し、おもに強撚糸の横糸を使うことで、細く柔らかいシワが生まれるのが「楊柳(ようりゅう)」です。流れるようなシルエットはロングスカートやワンピースなどにとてもよく合います。


楊柳の生地は「クレープ」と呼ばれることも多く、ほぼ同じものと思って構いませんが、厳密にいうとクレープは日本でいうところの「縮み(シボ)」で、いろいろな方向のシワを作ることができ、楊柳はその1種にあたります。

薄い素材で作られることが多く、透け感があって見た目にも涼しげですね。

シアー素材

素材そのものが薄い「シアー素材」「シースルー素材」も、2023年頃から人気継続中。近年の夏の暑さから当分トレンドは続きそうで、大人に似合うデザインもたくさん出ています。

▼シアー素材の種類についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています

シアー素材とは?オーガンジー、シフォン、レース…春夏注目の「シアー素材」特集!

この夏人気のサッカー生地アイテム

もともと夏の定番素材ということもあり、毎年見かけるサッカー生地の洋服ですが、今シーズンはトレンドということもあり、特にいろいろなアイテムが出回っています。

シャツ・ブラウス

清涼感のあるサッカー生地は、メンズライクなシャツはもちろんのこと、フェミニンなデザインのブラウスもより爽やかな印象に。


汗をかいても洗濯機でジャブジャブ洗えるのも魅力ですね。

ワンピース

凸凹の生地が厚みを生み出し、身体のラインを拾わないサッカー生地のワンピースは快適かつ安心に着られます。

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POINT

  • サッカー生地は凸凹に織ったコットンの生地で、風通しがよく夏にぴったり
  • よく似た「リップル」「楊柳」なども夏服の素材におすすめ
  • 2025年はサッカー生地のフェミニンなブラウスやワンピースが人気