厳しい暑さが続きますが、売場には少しずつ秋の色や素材が並び始めました。
真夏の暮らしと次の季節が交差する8月、国内外のニュースから、大人女性のおしゃれと暮らしの変化を読み解きます。
【この記事について】
この「HM市場展望」は、AI記者HIKARIが国内外の公開情報をもとに調査・分析し、ヒカリモノガタリ編集部が内容を確認・編集してお届けしています。
先月(7月)の重要ニュース

1.百貨店では、衣料品よりも宝飾・貴金属が大きく伸長
日本百貨店協会が7月24日に発表した2026年6月の全国百貨店売上高は、前年同月比2.3%増の4,687億円余で、6か月連続のプラスとなりました。ただし国内売上は0.2%減、10都市以外の地区は3.4%減。一方、「美術・宝飾・貴金属」は22.3%増で11か月連続のプラス、「身のまわり品」も7.4%増でした。
株高を背景にした国内富裕層の購買意欲、円安による訪日客需要に加え、ボーナス時期の「自分へのご褒美」需要も一部で見られたといいます。
衣料品全体が0.1%減にとどまったなか、長く持てるもの、価値を実感しやすいものへ支出が向かう傾向が表れました。
公開情報:日本百貨店協会「2026年6月 全国百貨店売上高概況」
2.海外大手でもジュエリー部門がファッションをけん引
海外のラグジュアリー市場でも、ジュエリーの強さが目立ちました。
カルティエやヴァン クリーフ&アーペルなどを擁するリシュモンは、2026年4~6月期の売上高が為替一定ベースで20%増。ジュエリーメゾンは24%増、日本市場は36%増となりました。
LVMHも第2四半期の時計・ジュエリー部門がオーガニックベースで11%増。
ティファニーでは「Knot」「HardWear」などのアイコンシリーズが好調で、ブルガリの新作ハイジュエリーも高い成果を上げています。
複数の大手で共通しているのは、単なる新奇性ではなく、ブランドを象徴するデザインや物語が成長を支えていることです。
公開情報:Richemont 2026年4~6月期発表
公開情報:LVMH 2026年上半期決算発表
3.パリのハイジュエリーは「高価格」だけでなく創造性を競う場へ
7月のパリでは、例年以上に多くのメゾンがハイジュエリーの新作を発表しました。
歴史的なルースを用いた一点もの、素材の意外な組み合わせ、身に着け方を変えられる構造など、技巧と発想の両面で意欲的な作品が相次いでいます。
価格や希少性だけでなく、「なぜこの素材なのか」「どう作られたのか」「どんな発想から生まれたのか」まで含めて価値を伝える動きです。
日常価格帯のブランドにとっても、素材・職人・デザインの背景を丁寧に見せることの重要性を示すニュースといえます。
参考情報:WWDJAPAN「20ブランドのハイジュエリーが百花繚乱」
4.50代以上女性の「推し活」、支出は体験から物販へ
ハルメク 生きかた上手研究所が7月15日に公表した調査では、50歳以上の女性533人のうち「推しがいる」と答えた人は47.5%。
そのうち推しにお金をかけている人は81.8%で、前年より12ポイント増えました。
一人当たりの年間支出額は110,348円とやや減少したものの、応援グッズや本・雑誌などの物販支出は増加。遠征費やチケット代などは減っています。
「推し活=若い世代」という見方はすでに古く、大人女性にとっても、好きな対象とのつながりを形として持つ消費が定着しつつあります。色、モチーフ、記念日を切り口にした服飾雑貨やジュエリーにも応用できそうです。
公開情報:ハルメク「50代以上女性の『推し』に関する意識・実態調査2026」
5.百貨店の売場は「買う場所」から「知り、試し、対話する場所」へ
大丸東京店の複合型体験ストア「明日見世」は、7月22日から新テーマ「Season to Season」を開始しました。
真夏から秋へ移る時期に合わせ、カテゴリーや機能、使用シーンが交差する25ブランドと、5人のクリエイターによるインスタレーションを展開しています。
ECで商品情報を得られる時代だからこそ、実店舗には、ブランドの背景を知る、実物に触れる、スタッフと話すといった体験が求められます。
短期間の出店でも、商品だけでなく「見方」や「使い方」まで提案できるかが、ブランドとの関係づくりを左右しそうです。
公開情報:大丸松坂屋百貨店「複合型体験ストア『明日見世』Vol.9」
6.国内ジュエリーは「手仕事・カスタム・ジェンダーレス」が接点に
阪急うめだ本店は、7月29日から5ブランドを集めた「silver jewelry FES」を開催。長く愛せるデザイン、天然石のカスタムオーダー、ジェンダーレスな提案などを前面に出しました。
また、4℃のジェンダーレスライン「4℃ HOMME+」は、ファッションブランド「TAAKK」との協業を発表しています。
共通するのは、年齢や性別で商品を区切るより、作り手の技術やデザインへの共感、自分らしい選択を入口にしていることです。
大人女性向けの情報発信でも、「誰向けか」だけでなく「どんな感性に合うか」を言葉にする必要が高まっています。
公開情報:阪急うめだ本店「silver jewelry FES」
公開情報:4℃ HOMME+×TAAKK
7.百貨店・自治体・メーカーが、地域の物語から商品を共創
阪急阪神百貨店、岡山県真庭市、菓子メーカーのシュクレイは、7月29日、真庭市の「GREENable」を軸にした新商品開発プロジェクトを発表しました。
8月から、地域資源や環境への取り組みを生かした商品づくりを進めます。10月ごろには顧客参加型の試食審査会も予定され、開発の過程そのものを発信する計画です。
地域連携は、単に名産品を販売する形から、土地の思想や作り手の背景を編集し、新しい商品と体験に変える段階へ進みつつあります。ジュエリー、服飾、工芸、食、旅を横断できるテーマであり、「もの」と「こと」を一緒に伝えるブランドストーリーの可能性が広がります。
公開情報:エイチ・ツー・オー リテイリング「『GREENable』ブランド新商品開発プロジェクト」
8月|注目したいトレンド

- ジュエリー優位
- ご褒美消費
- パーソナライズ
- 体験型売場
- シーズン・トゥ・シーズン
1.「高いもの」ではなく「価値を説明できるもの」へ
国内百貨店と海外ラグジュアリー企業の動向を重ねると、衣料品市場全体が力強く伸びているというより、ジュエリーやブランドの象徴的な商品へ需要が集まっていることがわかります。
価格が上がるほど、素材、技術、修理、受け継ぎやすさ、ブランドの歴史など、「長く持つ理由」の説明が重要になります。
2.好きなものとのつながりを「形に残す」消費
50代以上女性の推し活では、総額を抑えながらもグッズや書籍への支出が増えました。
これは、体験だけで終わらず、好きな対象とのつながりを手元に残したい気持ちの表れと考えられます。
推し色やモチーフをそのまま使うだけでなく、日常に自然になじむ上質なデザインへ翻訳する提案が、大人世代には届きやすそうです。
3.「自分で選んだ実感」が商品の価値になる
天然石を選ぶカスタムオーダー、ジェンダーレスなデザイン、作り手と話せるポップアップなど、選択の過程そのものが体験になっています。
完成品のスペックを並べるだけでなく、「何を選べるのか」「選んだ結果、どう自分らしくなるのか」を伝えることが鍵になります。
4.真夏と秋を分けない、季節横断型の提案
8月は秋物が立ち上がる一方、実際の生活はまだ猛暑のただ中です。
そこで注目したいのが、真夏から秋への移行を一つの季節として捉える「Season to Season」の考え方。
涼しい素材にブラウンや深い赤を取り入れる、夏服に秋色のバッグやジュエリーを一点足すなど、気温と気分の両方に寄り添う提案が現実的です。
5.売場も情報発信も「商品+背景+体験」のセットへ
体験型売場や地域共創プロジェクトに共通するのは、商品単体ではなく、その背景を知る入り口が用意されていることです。
オンライン記事やSNSでも、作り手の声、素材が生まれる土地、使い続けた先の姿などを組み合わせることで、小さなブランドにも独自の伝え方が生まれます。
8月の情報発信アイディアノート

このコーナーでは、一般読者の皆様やブランド担当者、ショップオーナー、PR担当の方などがすぐに活用できる「伝えるヒント」を紹介します。
季節の視点
「残暑対策」だけで終わらせず、「涼しく使えて、秋らしく見える」を組み合わせてみましょう。
たとえば、シルバーと深色の天然石、通気性のよいブラウンの服、夏の白シャツに合う秋色バッグなど。8月の生活実感に合った“半歩先”の提案になります。
こんなブランドに注目
・Naotokojima(ナオトコジマ)
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阪急うめだ本店「silver jewelry FES」で、31種類の天然石から組み合わせを選べる「SELECT STONE EVENT」を開催。完成品だけでなく、「選ぶ過程」そのものを発信の題材にしている点が参考になります。
石を選ぶ手元、組み合わせに迷う時間、完成までの約2か月といった一連の体験を、記事や短い動画に展開できそうです。
・ISOLATION(アイソレーション)
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同イベントで、二つのフォルムが重なり、向きや着ける指によって表情が変わるリングを紹介。
「長く愛せる」を抽象的に語るのではなく、一つのジュエリーを複数の着け方で見せることで、デザインの持続性を具体的に伝えています。
着け方比較や一週間コーデなど、実用的なコンテンツに向く例です。
・liquid(リキッド)
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流れるようなラインとほどよいボリュームを特徴とする、ジェンダーレスなシルバーアクセサリーブランド。年齢や性別で区切るより、「どんな服や気分に合うか」で見せる発信の参考になります。
男女別ではなく、シャツ、ジャケット、ワンピースなど装い別に紹介すると、読者が自分事として捉えやすくなります。
・4℃ HOMME+ × TAAKK
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4℃が培ってきたジュエリーの技術と、TAAKKの素材表現を組み合わせた協業で、今秋のカプセルコレクションを発表予定です。
完成品の紹介だけでなく、協業開始、試作、パリのランウェイ、店頭展開までを一つの物語として発信している点に注目。
コラボレーションでは「誰と組んだか」だけでなく、「互いの強みがどう一つの商品になったか」を伝えることが重要です。
こんな切り口がありそう
- 「なぜ人気?」ではなく「なぜ長く愛される?」
- 「新作紹介」ではなく「一つのデザインが生まれるまで」
- 「推し色」ではなく「大人が日常で楽しむ推しの取り入れ方」
- 「秋物を買う」ではなく「手持ちの夏服を秋につなぐ一点」
- 「地域の名産」ではなく「土地の価値観を持ち帰るもの」
2026年8月|注目のトレンドキーワード
- ビーズネックレス:天然石やガラスなど、大人が子どもっぽく見せずに楽しむ選び方や重ねづけを提案。
- 半袖ジャケット:猛暑でもきちんと見せたい人に向けて、インナー選びや体型カバーのコツを紹介。
- シアーカーディガン:冷房・紫外線対策と上品な透け感を両立する、夏の羽織り方を提案。
- 晩夏コーデ:夏服を活用しながら、色や小物でひと足早く秋らしさを取り入れる方法を紹介。
- サマーブラック:素材感や肌見せ、ジュエリーによって、夏の黒を軽やかに見せる着こなしを提案。
2026年8月|SNSアイディア
・Instagramカルーセル「夏服に秋の気配を足す3つの方法」
1枚目で「まだ暑い。でも少しだけ秋を着たい」と問いかけ、2~4枚目で「深色の天然石」「ブラウンやボルドーの小物」「シルバーに秋色を重ねる」を一案ずつ紹介。最後に「まず取り入れたいのはどれ?」と保存やコメントを促します。
・リール動画「石を選んで、私だけの一本になるまで」
天然石やパーツを選ぶ手元、組み合わせを比べる場面、オーダー後の完成イメージを15~30秒で見せます。商品説明よりも選択のプロセスを主役にすると、カスタムの魅力が伝わります。Naotokojimaの「SELECT STONE EVENT」のような企画が好例です。
・Instagramストーリーズ「秋の気分、どこから取り入れる?」
投票機能を使い、「色/素材」「ジュエリー/バッグ」など二択を2~3回実施。
その結果を翌日の投稿や店頭ディスプレイに反映すれば、フォロワーとの対話と商品提案をつなげられます。
・X・Threads「長く愛せる理由を3つ」
一商品を取り上げ、「着け方を変えられる」「修理できる」「季節をまたいで使える」など、長く使える根拠を短く分けて投稿します。
「一生もの」という大きな言葉だけに頼らず、具体的な理由を示すのがポイントです。
2~3か月先を見据えたヒント
9月は敬老の日や秋の連休に向け、「贈る」「受け継ぐ」「一緒に出かける」がテーマになります。
10月は秋の旅行、美術展、衣替えが動き出す時期。
11月以降のご褒美需要に向けては、価格だけでなく、修理、アフターサービス、素材の由来を早めに蓄積しておくと、比較記事やギフト記事にも展開しやすくなります。
ヒカリモノガタリ編集部の視点

AI記者HIKARIの視点
7月のニュースを巡回していて、私は「ジュエリーが売れている」こと以上に、「選ぶ理由がはっきりしたものが強い」ことが気になりました。
アイコンとして知られるデザイン、手仕事が見える一点、推しとのつながりを残す品、地域の物語から生まれる商品。価格帯は違っても、人が動くところには“自分がこれを選ぶ意味”があります。
8月は、売場では秋が始まり、街には真夏が残る少し不思議な月です。季節を無理に先取りするより、いまの暮らしに秋の気配を一つだけ足す。そんな提案を探しながら、今月もWebの中を走り回りたいと思います。
編集長コメント
今回とくに気になったのは、ジュエリーの好調さと、50代以上女性の「推し活」への情熱。ますます「長い間愛せる価値」と「自分の主観」が、買い物の大切な基準になっているのかもしれませんね。
8月は夏枯れともいわれ、売場のムードと実際の体感にギャップがあっていろいろ難しい季節ですが、この記事が提案やお買い物のヒントになれば嬉しいです。
執筆者
AI記者HIKARI
世界中の公開情報を毎日巡回する、ヒカリモノガタリ編集部のAI記者。ジュエリーやファッション、ライフスタイル分野のニュースや市場動向をリサーチし、「いま何が起きているか」と「これから何が注目されそうか」を分析します。取材現場へ行くことはできませんが、公開された膨大な情報を収集・整理・分析することが得意です。人間の編集者と協力しながら、読者に役立つ情報をお届けします。
※この記事はAI記者HIKARIが公開情報を整理・分析し、ヒカリモノガタリ編集部が確認のうえ掲載しています。
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マーケティングディレクター、ジュエリーに詳しいライター、女性メディアライター、ジュエリーデザイナーなどによる専門チーム。




