部屋づくりにこだわってきた人ほど、防災用品の置き場所に迷った経験があるのではないでしょうか?
キレイに整えた空間に、防災リュックや非常用持ち出し袋が見えていると、どうしても生活感が出てしまいます。だからといって、まったく備えがないのも落ち着かないですよね。
そんな気持ちから「とりあえずクローゼットや押入れにまとめて入れておけばいい」と考えている人もいるかもしれませんね。
防災収納は、つい「正解」を探したくなります。でも実は、隠すか隠さないかの二択で考えなくてもいいんです。おしゃれな暮らしをしている人は、自分なりの距離感で防災と付き合っています。
そこで今回は、おしゃれな暮らしをしたい人に向いている防災収納の考え方をお伝えします。
防災収納は、特別なことにしなくていい

防災用品と聞くと「非常時のための特別なもの」というイメージが強いかもしれません。
でも、特別扱いしてしまうと、日常の暮らしから少し遠ざかってしまいます。
たとえば
- 気づいたら中身を確認しなくなっていた
- どこに入れたか、曖昧になっていた
- 賞味期限や電池切れを見逃していた
といったことがありがちです。
けれども、こうしたことは防災への意識が低いことから起こるわけではありません。防災を「非日常のもの」として切り離してしまった結果なのです。
防災は、日用品やストックと同じ延長線上にあるもの。特別な棚を用意したり、完ぺきな収納を目指したりしなくても大丈夫です。
普段の暮らしのなかで、無理なく管理できる仕組みこそが、その人にとっての正解だと思ってください。
「見える」「見えない」は役割で分ける
防災収納を考えるときに大切なのは、「見えるか、隠すか」ではなく、「役割で分ける」という視点です。これを分散収納といいます。
たとえば、停電時や夜間にすぐに使いたいモノ。懐中電灯やスリッパ、最低限の持ち出し用品などは、生活動線のなかにあったほうが安心です。
だからといって、必ずしも目立つ場所に置いておく必要はありません。
大切なのは、すぐ手に取れること。
最近では、いかにも「防災リュック」という見た目ではなく、インテリアに自然と馴染むデザインのものが増えてきました。
そういった商品を選べば、無理にしまい込まず、リビングや玄関など普段の動線上にさりげなく置くことが可能です。

わが家では、玄関のシューズクローゼットのなかに防災リュックを収納しています。ですが、見た目がシンプルなので悪目立ちすることもありません。
懐中電灯も同じで、デザイン性の高いものを取り入れれば、出しっぱなしでも空間の雰囲気を損ないません。必要なときにすぐ使えることを優先しながらも、見た目とのバランスを取るのがポイントです。

わが家の場合、リビングのテレビ横にこのような形で懐中電灯を置いています。インテリアに溶け込んだデザインなので目立つこともなく、災害時にはすぐに使えるようになっています。
普段はほとんど消していますが、たまに電池切れのチェックも兼ねて間接照明として使ってもおしゃれです。
一方で、水や食品、日用品のストックなどは、まとめて管理できる場所に置いておくほうが向いています。パントリーやキッチンなど使う場所を定位置に決めるのが基本。
日常的に使いながら在庫管理していく「ローリングストック法」を採用すると期限切れや劣化を防げます。
また、クローゼットや押入れは、しまい込むための場所というより必要なときに補給するための場所と考えてください。そうすると、防災用品を収納しておくことにも違和感がなくなります。
防災用品はひとまとめにしておく必要も、すべてを見えない場所に隠す必要もありません。役割で分けることで、見た目と安心感の両方を保てるでしょう。
防災収納を美意識のひとつと捉える

防災という言葉には、どうしても不安なイメージがつきまといます。けれども、備えを整えることは、怖い未来に怯えることではありません。
自分の暮らしを大切にしてきた人ほど、「何があっても、私は大丈夫」と思える状態をしっかりと整えています。
防災収納は目立たなくていいし、完ぺきでなくても大丈夫。というのも、防災はいざというときのための備えであって、人に見せるためのものではないからです。
でも、きちんと自分の生活に組み込まれていることを考慮しなければなりません。さりげない備えが、部屋の空気や暮らす人の気持ちを整えてくれます。
おしゃれに敏感な人が大切にしているのは、見た目だけではなく、見えない安心感なのです。防災収納も、そんな美意識のひとつなのかもしれませんね。
防災用品は日常の暮らしにさりげなく溶けこませるのがポイント

防災用品は出しておくのか、隠すのか、その二択で考える必要はありません。クローゼットや押入れにまとめておくものがあってもいいし、日常のなかにそっと置いておくものがあってもいいんです。
大切なのは、防災を特別扱いしすぎず、暮らしの一部として自然に組み込んでいくこと。その積み重ねが見えない安心となって、毎日の暮らしをそっと支えてくれるでしょう。
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整理収納アドバイザー、ルームスタイリストプロ。片付けコラムニストとして整理収納や時短家事の記事を多数執筆。「家事は素早くラクに」がモットー。インテリアや整理収納で暮らしを整え、人生を豊かにするヒントをお伝えできたらと思っています!




